TX-050L 修理完了 【2015/10/20】
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やっと秋らしくなってきました。台風が接近中のようですが、これが過ぎると一気に寒くなるのでしょうか。その前に拙宅のアンテナを整備しておかねばなりません。夏から持ち越してきているのでそろそろ限界。テラスに7本のアンテナを上げていますが、HF系の3本は全てハンドメイドなので定期的な整備が必要です。

今日は面白いリニアが入場してます。ダイワのtx-050lというアンプです。一応、B級増幅回路なのでリニアアンプとして動きます。こちらは入力3wに対して出力10wを定格とするアンプとのことです。初めて見るのです、きっとIC-502やRJX-601を意識したアンプだったのでしょう。東京ハイパワーのHL-66Vよりも小柄です。キャリコン内蔵ですが、スタンバイの時定数を調整できない固定タイプです。2SC2098という東芝のトランジスタが1石載っているだけのシンプルな構成。東ハイのアンプに比べメンテナンス性は良いのですが、リレーを基板外に置いていて、RF回路を1.5D-2Vでバイパスさせるなど、高周波回路的にはリスキーな面もありそうです。東ハイはRFの取り回しを優先した設計なので基板着脱が面倒だったりします。
本題ですが、こちら4w程度しか出ないとのことでした。原因は入出力同調回路の離調が原因です。入出力にそれぞれ2個ずつトリマーが置かれていますが、金属板の酸化により調整最大容量が下がっていました。3個のトリマーに、10pF〜27pFの補正用コンデンサーを並列接続したところ息を吹き返しました。
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修理・調整後の測定結果は以下の通りです。
【調整諸元】
- 中心周波数: 50.600 MHz (± 600KHz 内は80%以上の出力を確認)
- エキサイタ:FT-817
- 送信モード:FM
入力 | 出力 |
0.5w | 4w |
1w | 7w |
2.5w | 10w |
3w | 11w |
- 2.5W SSB 2トーン信号入力時の出力波形 (KX3)

最初入力3wで出力15wまで追い込みましたが、IMDが悪化し2トーン波形がオバケの手のひらのようになってしました。また、リニアリティ優先でバイアスを調整すると、2.5W程度までが許容範囲ではないかと思われます。従ってAMの場合、0.5W〜1W程度が入力の上限だと思われます。発熱量が少ないので、FM3W入力でドライブしても問題はありません。