TS-820 周波数表示されず、送受とも不可・・修理完了【2015/10/19】

by

 連投させて頂きます。の修理が完了しました。こちらは半年前にお預かりした個体で、前回とは異なる箇所の不良で入場中であります。個体コンディションが悪く、今後も他の不具合が発生するのではないかと心配しておりました。

TS-820の修繕に着手
TS-820の修繕に着手

 今回は「周波数が表示されない」「送受不可」状態でお預かりしました。PLL/DDSの信号が寸断されていたこと主な原因ですが、その他に周波数カウンター・ユニットの内部にも問題がありました。具体的には、デジタル周波数表示ユニットDG-1、RFユニットの基板腐食が原因です。また、ジャンパ・コネクタ2箇所で接触不良を確認しております。まず、前者は分解・洗浄・再ハンダ処理で対応、後者はコネクタ分解、及び破損していたコネクタの一部をギボシを介してジャンパさせました。周波数表示、送受信ともに正常に動作に戻っております。

 

DG-1 DDS基板を分解
DG-1 を分解
所々にパターン剥離が発生
所々にパターン剥離が発生

 デジタル周波数カウンター表示オプション・ユニットのDG-1は、コネクタ受け周辺のパターン剥離が発生しておりました。こちらは分解して一部リードをジャンパさせて修復。また、コネクタのターミナル群が両側に拡がった状態でした。恐らく固定状態を維持させたい為にこの様にされたのだと思いますが、これでは両端の端子が導通しません均一になるよう修正しました。また、DG-1下部のコネクター1番ピン、5番ピンがコネクタ破損により、ケーブルが直接ターミナルにハンダ付けされておりました。この状態ですと、コネクタが浮いてしまい導通が確保できません。写真の通り「ピンの掘り出し」と欠損部分はジャンパの取り回し直しで解決しております。ビニールテープで仮止めされていた箇所も写真の通り修復しております。

コネクタより掘り出したターミナル受け
コネクタより掘り出したターミナル受け
両側に拡がったターミナル
両側に拡がったターミナル
この配線は危険!!
左端の欠損ターミナルだけジャンパ+ギボシで迂回(メンテ性向上「)
左端だけジャンパ・ギボシ迂回(メンテ性向上)

VFOギア分解洗浄

100KHzメモリ板の位置ズレ修正
100KHzメモリ板の位置ズレ修正

VFOの動きが鈍くなっています。ギアの偏摩耗もありますが、古いグリースが固着していることも大きな要因です。分解してデグリースし、グリースの再塗布で対応しております。当初バックテンションが掛かったような感じでしたが、症状は完全に治まっております。また、100KHz円板の位置がズレていたの更正しました。

 

 

 

 TS-820S(100w機)でしたので軽くパワー・チェックした折に「球ボケ」を疑ったのですが、見ると球がシングルになっており大容量コンデンサも1本配線が外され、完全な10w仕様になっていたことに気付かず、失礼申し上げましたことお詫びします。30w出ていますので全く問題ございません

  前回入場の際にも気になっていたのですが、全体的に腐食が進行中です。特にヤニ不着による接触不良が多発しておりますのでお気を付け下さい。

 

 

Related posts

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。