FT-5800 修理完了【2015/09/28】
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連休前にお預かりしたft-5800の交換部品が届きました。先週末より作業に取り掛かっております。雨水による浸水が原因とみられる故障が発生。430MHzの送信が出来なくなっておりました。RFパワーモジュールが逝かれています。また、基板は錆びによる内部腐食が進行、錆ブリッジによる短絡も発生しています。これに経年劣化が重なり想定以上にダメージが拡がっていました。RFモジュール周辺は特に傷みが酷く、アルミ電解2個が破裂。APCと出力を繋ぐダイオード1個も断裂していました。また、前回ご報告した“異常発熱”はAPCのスイッチング・トランジスタ2SB1134の故障が原因と断定。こちらも要交換です。冷却ファン・モーターは軸に錆が発生し全く動きません。その他、電源ケーブル内のアルミ線断裂も・・・・。

まずM57704MRですが、こちらは国内在庫が無く海外流通から引っ張りました。ダイオード、トランジスタも同様です。特にトランジスタは互換品も入手困難です。しかもサンヨー製です。国内のサプライヤーなら間違いなく廃棄処分している部品ですね。これらはeBayやAlibabaを駆使して入手・・・。それにしても海外から、たった3日で届くというのは凄すぎます!! モーターは代替が効かないので連休中に分解しコツコツ仕上げました。ww

メイン基板の脱着は一苦労です。まず、フロントパネル側のユニットを外します。今度はスピーカー側に移り1200MHzのRF基板とメイン基板を繋ぐジャンパ2本の半田を除去します。一つはANT端子の手前、もう一つはモジュール手前の電解コンデンサ群近くにあります。次にRFモジュールを覆うシールドを取り外し、固定ネジを全て外してゆっくりシャーシから切り離します。この時にファン・モーターのケーブルを無理に引っ張らないように注意します。
ファンモーターは外装カバーのネジ8個を外せば簡単に着脱できますが、電源ケーブルのホット側(メイン基板)とコールド側(サーモスSW)を事前に切り離しておく必要があります。
部品交換終了

アルミ電解は16v耐圧のミニタイプを使用しています。あいにく在庫が1本しか無く、50v耐圧品で代替しました。高さ的に干渉する恐れがありましたが、何とか収まってくれました。上で説明したメイン基板と1200MHzのRFボードを結ぶジャンパは金属棒です。これを通すのが一苦労・・・・。苦戦すること30分、何とか2個とも通りました。・・・と思ったら、2SB1134を交換するのを忘れていました・・・。1時間のロスです。汗
何とか部品交換を終え試験台へ・・・。430MHzで送信してみます。いつも使っているクラニシの校正済RFメーターで全域8w以上出力することを確認しました。12~15w位でても良さそうな気がしますが、各部の劣化が進行中であることを考慮すれば上出来な結果でしょう。1200MHzの方は12wを確認。(下記、追記参照のこと)
一通り基板面を金属ブラシで清掃。目にみえる部分の腐食は取り除けたと思います。両バンド送受とも問題無さそうです。小さい無線機ですが、修理作業は想定外のボリュームとなりました。144MHz/430MHzなら即廃棄・代替新品購入となるところだと思います。オーナー様は貴重な430MHz/1200MHz機ということで修理を熱望されました。
その後 (2015/10/05 追記)
出荷前に再チェックを実施したところ、RFユニット(1200MHz側)の430MHz RFジャンパ接続部分に接触不良を発見。基板に穴を空けてジャンパの迂回処理をしたところ、430MHzも最大23w出力することが判明しました。こちらは出過ぎですので、写真の通り、430/1200ともに15w程度に設定しました。ロードテストも24時間以上実施しておりますが、全く異常はありません。
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