TS-940S Limited 入場・・がしかし
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帯状疱疹じゃなくて、“線状降水帯”とかいう聞き慣れない雨雲が長時間滞留した北関東〜東北では、今も水が退かない地域があるようです。電話やネットが普通になり連絡がとれない地域があったそうですが、アマチュア無線は役に立ったのでしょうか??。
元々静かな145/433MHzですが、昨夜は輪を掛けて静まりかえっていたようです。「非常通信が入る可能性がある」とのことで、待機を呼びかけるツィートが回ってきましたが、そんな危機的状況で無線機を取りに戻る余裕も無いような気がします。やはり、日頃から非難グッズの中にハンディー機を1台忍ばしておくべきですね。因みに、小生は実験用の中華ハンディーを、家族各々の非難鞄に入れてます。何も無いよりはマシ・・・。因みに我が家は息子を除き、嫁(JH1HYS)と娘(コール無し)も無線従事者です。家族内の非常通信訓練が必要だな〜〜〜。
TS-940S Limited がラインに登場
予告どおりTS-940SLが入場中です。早速、拝見しようと思ったら電源が入りません・・・。これは流石にパニックです。ACケーブルを数本変えてみましたがダメです。ヒューズ溶断を疑い確認しましたが問題ありません。出足から嫌な雰囲気です。ケースをあけてみると、電源トランスの1次側がグラついているではありませんか。そこを半田し直して再挑戦!! 今度は無事に電源が入りました。取りあえず一安心・・・。

こちらは、“PLL アンロック”と“Sメーターがマイナス表示”とのことでお預かりしました。
前者に関しては、TS-940ではお馴染みの症状です。940に限らず20年選手の無線機の多くが一度は掛かる症状と言っても過言ではありません。経年劣化でケミコンの容量抜けが進行すると、回路定数が変わってくるのはRFもAFも一緒です。TS-940では殆どの場合、調整だけである程度回復できます。後者はあまり聞いたことのない症状ですが、AGC回路の何かが異常ということでしょう。早速、サービスマニュアルに従って、各ユニットのVCC値を測定。すると、IF、RFともに電圧が規定値よりも2~5V低いではありませんか。特にPLLのVCCやAGC基準電圧は誤差±0.01Vの精度が求められますが、それぞれ0.1V〜2V程度基準値より低くく、調整しても追いつきません。

これは電源が明らかにヘンです。TS-940はファイナルを駆動する28V系を含めた複電圧構造となっており、電源トランスの2次側・3次側の複数のタップから、それぞれの電圧を造り出すための電源が引き出されています。AVRユニットの13.8Vラインの電圧が11Vとかなり低めです。これは明らかに異常値!! 更に上流に遡って行くと、整流回路のAC側の電位が22.5Vとかなり低めです。本来ここは30Vあるはずの部分。
結局電源トランスまで戻ってきました。2次側・3次側の中間タップ電位差30Vであれば正常値ですが、ここが22.5Vしか出ていません。2次・3次を個別に測定してみると、3次側中間タップの電圧は15V、2次側中間タップは半分の7.35Vしかありません。つまり、22.5Vの辻褄があいます。よく見ると、トランス周りにセロテープで絶縁されているところがあり、何らかの手が加えられた様子がわかります。最初の接触不良とも関係があるのか????
PLLやSメーターの異常は電圧不足!!
トランスがこんな壊れ方するとなると、誘導が飛んだか、過負荷でトランス自体が焼けて溶着したか・・。周波数表示も「一瞬表示して消える・・」を繰り返し、いつものアンロックとは様子が違います。また、Sメーターがマイナスに振るのは、AGCの基準電圧が下がっているせいでしょう。頷けます・・・。RFゲインを回しても張りは右側に貼り付いたまま。
いずれにせよ、このままでは作業は続行できません。困りました。最近このパターンが多いな〜〜汗汗汗
急遽IC-502をラインに
何れにしてもトランスありき・・。
このまま作業は継続できないため一旦ラインから降ろします。次位のIC-502をラインへ・・。
- Aperture: ƒ/2.2
- Camera: iPhone 6
- Focal length: 4.15mm
- ISO: 125
- Shutter speed: 1/30s
TS-940S トランスの2次・3次中間タップを外し、外部電源からVCCに+14Vを供給したところ、周波数表示は正常に、Sメーターも問題無く0(ゼロ)を表示しました。どうやら故障箇所は電源トランスのようです。