ツェップ・アンテナの給電部について

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 いよいよ関東も梅雨入りの雰囲気ですね。今日辺りかな?? 週末は「ハイバンド祭り」でしたね〜。18MHz〜50MHzまで、ガッツリと入感していました。昨日も書きましたが、18MHzや21MHzではQRP 5Wでも、4、5、6エリアの各局と繋がるなど、いよいよシーズン本番といったところです。

 6mは以前書いた垂直が大活躍です。6エリアの局と交信中に2エレHB9CV・垂直ツェップを切り替えてSの振れ具合を確認して頂いたところ、HB9CVではピークS9、垂直ツェップでは+20dBのレポートを貰っています。給電部の地上高はツェップの方が若干高いのですが、それ以前に輻射ポイント(電流腹)的に垂直ツェップの方が優位なのかもしれません。フロア・ノイズがS9に迫るため常用は困難ですが、ノイズの少ない地位域では6mDXのお勧めアンテナです。

給電部の構造について

上段左より、6m・10m、下段左より、15m、17m、20mの各コイル
上段左より、6m・10m、15m、17m、20mの各コイル

 アンテナ本体は以前書いた通り、4.5mのグラス製釣り竿に1/2λのエレメントを這わせたものです。ツェップは構造物から1/8λ以上離すことが推奨されているので、6mの場合75cmほどクリアランスを確保する必要があります。今回は最初から垂直設置することを想定していたので、マストとの連結は連結金具の利用を想定、即ちグラス・ロッドのそこから75cm以上上に給電部があれば良いわけです。概要については過去記事をご参照下さい。塩ビパイプをカットし、その中にLC共振回路を仕込みました。LC共振回路は4アマでも試験に出ますので敢えて書きませんが、電圧給電のツェップ・アンテナでは入力インピーダンス50Ωを5KΩ程度まで上げる必要があります。つまり、入出力インピーダンスが異なるので、高インピーダンスとなるホットエンド端で5KΩになる様にLの値を導く必要があります。Lが決まれば自ずからCも決まります。入力50Ω、出力5KΩの各バンドに於ける回路定数を計算してみました。自作の際の参考になれば幸いです。

Band 6m 10m 12m 15m 17m 20m 30m 40m
Element Length 2.97m 5.26m 6.02m 7.09m 8.26m 10.56m 14.81m 21.13m
Inductance (μH) 1.58 2.81 3.21 3.78 4.41 5.64 7.90 11.27
Capacitance (pF) 6.34 11.23 12.85 15.13 17.64 22.54 31.61 45.08
Freq (MHz) 50.5 28.5 24.9 21.15 18.15 14.2

10.125

7.1
推奨セラコン
村田 DEC 6.3kv
12pF
(2S)
12pF 12pF 15pF 18pF 22pF 10pF
(3p)
15pF
(3p)
コイル半径  5mm 7mm  —— 15mm 15mm 15mm  —— —— 
コイル長さ  10mm 15mm  ——  7mm 10mm  12mm  ——  ——
コイル巻数  7T 8T  ——  6T 8T 9T  ——  ——

 

 申し訳ございません。12m、30m、40m以下は未だコイルを作っていません。ツェップでQRVする予定がなく未検証です。何方かレポート頂ければ幸いです。

 

 

 

 

等値回路と電圧シミュレーション

 等値回路は左の通りです。(50MHzのケース) エレメントサイズは1/2λを想定しています。コイルは空芯の密着巻きですが、透磁率の条件が合えばトロイダルコアに巻いても宜しいかと思います。実際に作ってみると、計算値のインダクタンスよりも低めでマッチングする傾向にあります。その辺は、Cut & Try が必要でしょう。コンデンサは6.3kv耐圧の村田 DECシリーズがお勧めです。ハイ・インピーダンス端(5KΩ)では100w入力時に1.4KV(P-P)の電圧が発生しますので、500v程度のAVCでは耐えられません。Cの誤差で大きくディップが変位しますが、Lのピッチを少し変えればOKです。但し±1pFが限界です。5KΩにマッチングしなくなります。

 今日は午後から霞ヶ浦へ出張です。ITUシャックのリモート機材のメンテナンスに行って参ります。お天気が心配・・・。

 

12 Responses to "ツェップ・アンテナの給電部について"
  1. こんにちは、JH1DBVです。

    週末のハイバンド祭り、私も参加しました。
    6mのAMでも4エリアとQSOできてとても楽しかったです。

    記事の内容、とても興味深く拝見させていただきました。
    HB9CVでも若干打ち上げ角があると思っていましたが、
    ツェップANTは電圧給電・・・ということは電流腹が中央付近にくるということで、
    打ち上げ角があがって電離層反射に有利ということになるのでしょうか。
    見通しでQSOしている場合は逆にHB9CVの方が相手のSが上がることになりますね。

    給電部のシールドをがっちり固めることでノイズレベルがある程度下がるのであれば、
    是非トライしてみたいと思いました。

    • 毎度です! 
      打ち上げ角は地形や地上高によって変化するので一概には言えませんが、拙宅の垂直ツェップはDX向きというのは間違いなさそうですね〜。
      見通しの場合は偏波面も重要なので、水平偏波利用率の高い6mではローカルQSO向きでは無いかもしれません。
      ただ、6mなら1/2λで3mですから、4.5mの汎用グラス釣り竿に仕込んで水平設置も容易ですから、ロータリー・ダイポールの様な使い方はアリかも!
      ご指摘の通り給電部のLにノイズが直接飛び込むので、シールドによってある程度は効果が出るのではないかと思います。
      100w入力時の給電部電圧が1.4kvに達するので、どの様にケーシングするかですな〜〜〜・・・汗
      de BVX

  2. こんにちは、JH1DBVです。

    そうですね、偏波が違う可能性が高いのでローカルQSOは厳しそうです。

    シールドは、巨大なスチールボックスみたくなってしまうので難しそうです。送信専用ANTとして使うのが現実的ですかねー。

  3. 「マストの内側に同軸を通しては行けない・・」のと一緒ですね。ATUの周りをGNDに接続したアルミホイルでくるんだことがありますが、確かにノイズは減りました。68mm径の塩ビ・パイプをケースにして、パイプの周りに金属ネットを巻き付けてみるというのも手ですね。6mならインダクタも十分小さいのでイケそうな気がします。500wとか入れたらヤバそうですが。ww

  4. なるほど!パイプでガードして金属膜を巻き付けるのはイケそうですね!
    パワー制限付きなら実用可能だと思われます。

    今日は6mは静かですねー。。。

  5. 40mのツエップを作成しましたが、良好に動作しているようです Cは22+15で37にしました
    ここを参考にしたのですが http://www.jaia.or.jp/shiryo/ido-unyou_kos.pdf
    、BVXさんの表の数値と若干違いますね LとCの値の関係と性能はなにかあるものでしょうか

  6. JM3NWXさん コメントありがとうございます。JAIAのPDFはバイブル的に使われているようですね。JAIAが13.2µH/39pF、小生のデータが11.27µH/45pFとなっています。小生のデータは実測値ではありません。実際に制作する際にはLの巻き方や浮遊容量などで変わってくると思います。恐らくJAIAのデータは実測修正後の値ではないでしょうか。小生も6mで制作した際、Lの巻数を1Tカットしたり、数pFの調整が必要でした。
    【補足】
    JAIAの方がQが高いので、狭帯域になる反面、高効率になりますね。小生の回路はJAIA回路よりもブロードになりますが効率が悪いということになります。

    • なるほど、そういうことなんですね、勉強になりました!
      追伸 リニアアンプ、良好に動作しております
      コモンモード対策もうまくいったようです、その節はお世話になりました!

        • 元気に動いております(^_^)/ まだEsに遭遇できていませんが、近距離のAMで数回交信できました VFOがクリチカルですねー周波数カウンターの安いのを購入しました(^_^;)

          • 最近こんなものを入手しました。RD-9460(純正スピーカー付き安定化電源)であります。
            かなりHi-Fiでビックリしてます。ww
            RD-9460

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