FT-736MX 1200MHz送受不良に着手
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今日は予定を殆ど消化できず、効率の上がらない一日でした。夕方以降の予定が大幅に狂ってしまい、各方面にご迷惑をお掛けしております。m(_ _)m

さて、再びFT-736をお預かりしています。今月に入って2台目の736でございますが、やはり1200MHzのトラブルです。1200MHzは新しいリグのリリースがありませんので、旧型機種の修理需要が高いのも頷けます。今回のトラブルは、送受信共にNG、オーナー様曰く「RF回路の短絡に気付かず送信した結果、送受とも出来なくなった・・」とのことです。RFモジュールが壊れるなら理解できるのですが、受信も・・・というのが解せません。もしかしたら電源回路に何らかの異常が起きている可能性があります。取りあえず測定器を繋いで状況を確認してみます。
一瞬送信するも・・・

まずは受信からです。SG を繋いで1280MHzのキャリアを受信してみたところ、確かに何も聞こえません。しかしホワイトノイズは聞こえてきます。次にRFメーターにつなぎ替えMOXを押してみたところ、針が少しだけ振れます。「これはPLLアンロックに診られる症状に似ている?」しかし、FL管は1280MHzを表示していますし、エンコーダーを回してもエラーが起きている様には見受けられません。1200MHzオプション・ユニットを外してみることにします。このモデルでは144MHz/430MHzは実装済で、50MHz/1200MHzはオプション・ユニットを装着するタイプです。弁当箱ほどのユニットを取り外しケースを分解、まずはVCO/PLLユニットを確認します。サービス・マニュアルに従いPLL周辺のチェックを始めたところ、殆どの箇所で規定電圧が観測できません。?? 回路電圧が明らかに低くなっています。意外にも故障箇所はすぐに判明しました。+9Vの定電圧電源を供給しているL7809の出力電圧が7.5V以下です。定格ではMIN8.6Vですので、これではPLL回路が安定しません。送信時にRFメータが少し振れるのも、本来の周波数から外れたところで出力していることを確認しました。
レギュレーター交換+PLL調整
+9V系の一般的なレギュレーターですのでストックは潤沢にございます。早速交換です。PLL周りの電圧が正常値に戻りました。いずれにせよ経年による離調が進行していますの、IFも含めフル・トラッキング。送信(FM/SSB/CW)は周波数ズレもなく10W出ることを確認、受信はSGの信号を突っ込んでIFの最適化とメーター校正を行いました。これにて作業終了です。
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