FT-736MXの修理に着手
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台風一過の今日、関東地方の各地で30度を超える真夏日となりました。まだ5月中旬です。先が思いやられますね〜〜〜。気温とは関係ありませんが、東北で先の大地震の余震とされる震度5強の地震が発生、夜になって茨城でも地震が発生しています。小笠原の海洋隆起や箱根の火山性地震など、何だか列島全体が嫌な感じです。
「大地震の予兆でノイズが増える」なんて話を聞いたことがありますが、確かにここ数日、短波帯全域でフロアーノイズが増えています。気にしすぎか・・・。
重厚感のある高級機

このリグは初対面です。V/UHFの無線機と言えば、味も素っ気も無い航空無線用の機材ばかりメンテナンスしています。どうも高級機というとHFのイメージが強いのですが、昨今のアマチュアV/U機はモービル用のデュアルバンダーかハンディー機くらいで、あとはHF機にオマケで付いてくる程度? 「ハイエンド・マーケット」は完全にHFシフトなのでしょう。チップデバイスやモジュール化されたV/U機を高級機として差別化するのは難しいのかもしれませんね。お預かりしたFT-736は「正当派の高級機」という印象です。

1.2GHzの不具合ということで入庫しています。電源投入から暫く、1.2GHzのみ送受信が不能とのこと。一定時間が経過すると正常になります。更に電源投入直後はガサガサと変なノイズが聞こえます。これはVCO/PLLのアンロックが原因ではないかと推察しました。PLLユニットを構成するCの容量変化にともない離調が起きます。PLLは電圧設定がクリティカルなので、数100mVズレただけでもループ・ロックが外れます。これはTS-940で散々経験してきました。FT-736は1987年発売ですのでTS-940と同時期ということになります。規定電圧を出せばロックすると思いますが、ハイ側で規定値が出せてもロー側で外れる可能性があります。つまり「対処療法」ということになり「根治」には至りません。コンデンサー容量の変化に伴い共振周波数が外れていくことが原因ですが、Cの値が変化したところをL側で補うということは回路のQが変化してしまい同調範囲が狭まる可能性が否めないためです。やはり時間を掛けてCを全て交換していくということになります。逆にそこまでリソースを費やしてトランスバーターだけ直しても、無線機本体の素子劣化も進行していますから・・・。個体年齢を考慮するなら対処療法でしょうか。良い無線機ですし今後V/UHF高級機がリリースされる可能性は低いので、根治させてあげたい気持ちもあり・・・・。 つづく
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