6m小型リニアの修理完了です
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台風が温帯低気圧に変わりましたが、強烈な豪雨に見舞われている横浜地方です。深夜ですがアンテナ群の見回りにカッパを着てテラスに出ました。釣り竿デルタループは大きくうねっていますが、何とか保ってくれることを祈るばかりです。
リレー到着・・しかし

今日はデバイスメーカーから特注したリレーが届きました。hl-66vの修理再開です。注文したモノはピン配列と2C回路構成のオーソドックスな汎用パワーリレーのはずでしたが、なんと新調したリレーは従来品の2倍以上の高さで、このままでは蓋に干渉してしまいます。仕方がありません。オーナーの承諾を得た上で、2回路3接点の別のリレーを使いバラック配線でケース内に収めることにしました。HL-66Vの同調回路の一部はストリップ・ライン化されていますが50MHz/50w程度なら「禁じ手」でも大丈夫でしょう。手持ちの250V5A 2回路3接点リレーの中から小型のものを探したところ、写真のように収まりました。π型同調回路のトリマーを調整し50.5MHz付近で最大出力が得られるよう合わせます。ファイナルの入力側のトリマー100pFが上限いっぱいの容量になっているので、補正コンデンサの390pFの容量を上げることにします。22pFを並列に取り付けたところ7w改善、5w入力時に45wの出力を確認しました。製品の定格は1〜12w入力で8〜60wとなっており、定格はクリアしているようです。リレーと基板を繋ぐジャンパ線は8本、内2本はON/OFF用のDC回路で、その他6本の内3本は入力回路のTX/RX切替、残り3本は出力回路のTX/RX切替です。やはりジャンパ線はなるべく疎になるよう配置したほうが良いようです。高出力時に発振が発生する可能性が否めません。最初、ジャンパリードの長さも全て同じにしていましたが、容量結合してしまう可能性もあるので、後から不規則に短縮しました。リレーON/OFF回路のジャンパリードはツイストペア化して小型の分割コアに巻き付けています。
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スプリアスも問題なし
オーナー様はFT-817をエキサイタとして使用されるとのことなので、イコールコンディションでテストしてみました。CWキーダウン・FM・AMで出力をスペアナでモニターしたところ、入力2.5w時に40w、入力5wで48wを確認しました。スペアナで確認したところ、入力4wくらいからスプリアスが出始めます。入力8wで完全に波形が暴れ出しますのでオーバードライブということですね。リレーをジャンパ接続していることも要因の一つかもしれませんが、ファイナルのバイアス電流を調整したところ、入力12wまではスプリアスが十分に抑制されるようになりました。本アンプのリニアリティを考慮すると入力3w程度に抑えて使うべきかと思います。AMなら入力1w程度です。自然空冷方式ですし無理は禁物でしょう。
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リレーメーカーに問い合わせたところ、現在の規格ではこのサイズでは作れないとの返答でした。現在ロード中ですが、特に問題なく動いています。拙宅に同型のリニアがありますが、比較したところ、お預かりしているアンプの方が信号特性がキレイです。取りあえず、一時帰宅ということで一旦オーナー様にお返しします。問題無ければ、そのままご退院。