デルタループをグレードアップ!!

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 昨日の横浜地方は、低気圧接近前で冬晴れの晴天に恵まれました。例のデルタ・ループの本格設置作業を決行! 前回はの性能確認を目的としていたので、両端マストから横出した釣竿ブームに引っ掛けるだけの簡易的なものでした。今回は6.3mの竿を使って本格的なデルタ・ループに仕上げようと思います。 使用した6.3mのグラス竿はラジオ・パーツ・ジャパンさんから購入しました。ネットで検索したのですが、ココ以外で6m級のグラス竿を入手できるサイトは見つかりません。2本で 4,760円(送料別)です。従いまして空中線レイアウトは天辺約7m斜辺約5mを廃止し、天辺約5m斜辺約6mに変更することになります。鋏角も約100度から90度に変更しました。

完成した改良デルタ・ループ
完成した改良デルタ・ループ トップが約5mアップ

 7段ロッドの先端部分、約50cmを自己融着テープでワイヤーを固定、その他の部分は結束バンドで締め上げました。ベース部分は小型のデベマウントを2個使用し、32m径のパイプに竿を固定しています。この方法ですと、鋏角の調整できるので、ATUが追い込み難い周波数のインピーダンス調整が可能となります。よくある板固定式の基台でもよいのですが、何より工作が不要で取付後に角度調整が可能という点でオススメです。しかもデベマウントは軽量かつ頑強です。ATU(CG-3000)は写真の様に取り付けました。32mm径のパイプは、衛星受信ANT用のベランダ金具にデベマウントで固定しました。

給電部付近
給電部付近 32mmパイプはベランダANT金具にデベマウントで固定 メンテナンスも容易になる
32mm径のアルミパイプにATUと竿を直付け
32mm径のアルミパイプにATUと竿を直付け
デベマウントで竿を固定 角度も調整できFB
デベマウントで竿を固定 角度も調整できFB

 斜辺と天辺の折り返し部分は角度がつかなくなり、理想的なループとして動作します。今回の改修により、天辺エレメントが約5m嵩上げされ、斜辺部分も含め屋根上にしっかりと出っ張るようになりました。全バンドで受信性能の向上が確認できた他、送信性能に於いても7MHzで6エリア、5エリアの常連局からSで2〜4程度の上昇とのレポートを頂戴しています。特に14MHz〜24MHzの性能向上が著しく、DX局が数多く入感するようになりました。

 今までは斜辺部分と構造物の距離が1.5mでしたが、改修により2.5mほどセパレーションを確保できたことで構造物の反射が少なくなり、ノイズも多少減ったように思います。

 総重量はATUを除けば1200g+エレメント・ワイヤ重量のみですので、大きさとゲインを考えれば十分すぎるほど軽量です。因みにエレメントはサガ電子のPESUS-22を使用しましたのでワイヤ重量などは気になりません。これなら小型ローテーターでも十分回せるでしょう。

 

建造物から約2.5m離したところノイズが減った
建造物から約2.5m離したところノイズが減った

 制作費はATUを除けば、ホームセンターで購入した32mm径1mのアルミパイプ1,200円、既出のグラス竿2本で 4,760円、アンテナ・ワイヤ PESUS-22 が1,836円、デベマウント32mm×32mm 計3個 で6,420円(何れも送料別)、合計14,216円でした。
 ATUの使用が前提ですが、本格的にタワーに載せてもOKだと思います。

 

【追加資料】

結束バンドでワイヤを固定
結束バンドでワイヤを固定
13 Responses to "デルタループをグレードアップ!!"
  1. はじめまして。記事を拝見して30分後には竿とチューナーを注文してしまいました。素晴らしい記事をアップしていただき、本当にありがとうございました。当局も住宅事情によりマルチバンドに出られるベランダアンテナを探しているところでした。出来ましたら、組み立て手順などを知りたいところです。もしかしたら、質問などさせていただく事があるかも知れませんが、よろしくお願いいたします。

  2. 高橋さん 
     コメントありがとうございます。設置して半月経過しましたが、14MHz〜21MHzはDXがガンガン入って来ます。八木のビームに適いませんが、ヨーロッパ・北米・南米・東南アジア方面とSSBで繫がりました。7MHzも国内なら十分でしょう。また3.5MHzはノイズが激減し大変満足しています。こんなテキトーアンテナなのにビックリですね〜。
     
     組み立て手順

    1.アンテナ・ワイヤーを用意

     17mのワイヤを切り出します。PESUSは超軽量でオススメです。

    2.竿を組み立る

     竿を伸ばしきった状態でロッドの繋ぎ目に自己融着テープを巻き付けます。今回は6.3mの竿を使用したので 6m + 5m + 6m の逆三角形になりますから、竿の根元約1mくらいの所から結束バンドでアンテナ・ワイヤを留めてゆきます。ロッド1段あたり2カ所程度でOK、まずは仮留め程度に巻いておきます。ロッド先端部分は細くなっていているので結束バンドは使えません。先端50cmくらいは自己融着テープで巻き付けます。この状態で、竿の根元側からアンテナ・ワイヤを引っ張ります。竿にワイヤが密着したら、仮留めした結束バンドを締め付けます。アンテナ・ワイヤの反対側も同様の手順で竿に取り付けます。(追加の写真をアップします)
     竿が多少短い場合はヘリカル巻きでも構いません。鋏角が90度前後になればOKです。

    3.水平ブームに釣竿を取り付ける

     グラス竿も31mm径だったため、32mm×32mmのデベマウントを使用しました。グラス竿は締め付けが強すぎると割れてしまう恐れがありますので注意が必要。ブーム側の締め付けはキッチリ行ってください。この時点では仮留めでOKですが、後から竿の荷重で回転してしまうので要注意です。作業時の滑落を避けるため、竿は垂直に立てて作業した方がよいですね。

    4.水平ブームにATUを取り付ける

     ATUは給電部となるのでループ直下に設置します。ATUのホット・コールドそれぞれにワイヤを繋げます。ループに極性はありません。ワイヤが接近し過ぎたり金属に近づきすぎると危険です。碍子などを使用して十分なセパレーションを確保して下さい。

    5.鋏角の調整

     鋏角を90度程度に調整します。この際に天辺部分にテンションが掛かかればOKです。屋根上に設置するなら問題ありませんが、テラス等に設置する場合は構造物からできる限り離してください。ATUで強引に整合できても効率が悪化しては無意味です。
     この状態で各バンドでSWRが下がるかテストします。チューニングは30w以下の連続キャリア(cwキーダウン)で行って下さい。大出力でチューニングするとリレーが焼けます。
     下は3.5MHz、上は1.5λとなる24MHz付近で動作すれば問題ありません。整合に時間が掛かかり過ぎたり、SWRが高いと感じる場合は、デルタループの鋏角を調整します。(インピーダンスは鋏角を広げると上昇、狭めると下がる)但し、極端に角度を変えると効率が悪化します。

     ループアンテナ+ATUに関しては、何れのメーカーでも注意喚起していますので呉々もご注意下さい。CG-3000も閉回路は非推奨とのことですので、ローバンドは特にご注意下さい。1.8MHzでもSWR1.5以下に落ちますが、怖いのでパワーを抑えて送信してます。(ローカル局とテスト交信しただけ)
    CG-3000は一度チューニングすると状態をメモリしますので電源を切らない限りリセットされません。これはバンド内で再チューニングしたり、アンテナの調整を行う際には少々不便です。過去にCG-3000のリセットスイッチ制作に関する記事を書いていますのでご参考になれば幸いです。

    http://jg1bvx.com/?s=CG-3000
    http://jg1bvx.com/archives/17919
    http://jg1bvx.com/archives/18538
    http://jg1bvx.com/archives/18556
     

  3. こんばんは。さっそく詳細な組み立て手順を教えていただき、ありがとうございました。感激しています!
    ATUや竿、エレメントなどは手配したので、今後はリセットスイッチやコモンモードフィルターの準備をして2月中には何とか完成させたいところです。田淵さんの真似ばかりしていて大変心苦しいのですが、どうかご容赦ください。
    アンテナが完成した暁には、7メガあたりで是非お相手ください。楽しみにしております。それでは、失礼します。

  4. あはは、小生も真似だらけですョ。
    どんどん真似しちゃってください! 責任はとれませんが・・・(笑)
    EDCさんに怒られてしまいそうですが、CG-3000はリレーをPanasonic製の16Aに替えたら動きが一段と良くなりました。これは怪我の功名ですが。(汗)

  5. こんにちは。

    まだまだ寒い日が続き、アンテナ工事に取りかかる元気がありませんが、コントロールボックスやコモンモードフィルターのことなど、あれこれ楽しく妄想中です。それで、一つだけ教えて頂きたいのですが、お使いのアンテナワイヤーの端末処理はどのようにされていますか?同じ製品が手元にあるのですが、どう処理したら良いものか考えあぐねています。伺ってばかりいて申し訳ありませんが、よろしくご教示ください。m(__)m

    • 高橋さん こんにちは。

      本当に寒いですね〜。拙宅も底冷えの寒さです。昨日は風も強くANTが右に左に大きく揺れておりました。汗
      サガ電子のPESUS線はその名の通りPE(ポリエチレン)ロープとSUS(ステンレス)線を撚った複合線材です。
      ポリエチレンは絶縁体ですので、そのままATUのターミナルに巻き付けると接触不良の原因になります。先端から10cm程度解いてSUS線のみをターミナルに巻き付けると良いでしょう。
      エレメントにはテンションが掛かかるのでプラ碍子等で一旦テンションを逃がすか、グラス竿のグリップ付近にエレメントを結束バンドで巻き付け、その上から自己融着テープを巻き付けて固定するなどの方法でも宜しいかと思います。

  6. こんばんは。いつも早々にRESをいただき、ありがとうございます!

    SUS線をターミナルに直巻ですね。そっかぁ。分かってしまえば何とバカなことを伺ったのかと落ち込んでしまいますが、A型で頭が固いものですからSUS線を圧着端子に何とかして固定できないものかと考えあぐねていました。

    教えて頂いたので、これでまた一歩先進できました。あとはコントロール回路とCMFを用意して作業に取りかかりたいと思います。春は花粉症が悪化するので寒いうちに頑張ります。ありがとうございました。

    • どうも!
      そうですね。確かにアンテナワイヤなら圧着端子で締めてというのが普通ですよね。実は小生もPESUSを圧着端子で終端処理しようとしたことがありますが断念しました。SUS線の本数が少ないので直まきするしかないんですよね。

  7. こんにちは 尾崎と申します。
    私もデルタループを上げていたのですが、竿の先端部のワイヤーが風にあおられ、半年ぐらいで断線してしまい以後G5RVハーフに変更していましたが、デルタループに未練があり竿の先端部分の処理の仕方を検索していたら貴HPを発見しました。
    ご面倒でなかったら下記の内容をご教授くださいませんか?
    1.竿の先端の細い所(1mm径)を そのままで アンテナ線を自己融着テープで固定するだけでしょうか?
    de ja4elx

    • 尾崎さま
      コメントありがとうございます。拙宅のΔLoopは設置から3年近く経ちますが、未だワイヤー切断には至っていません。サガ電子の軽量ワイヤーPESUSを使用しています。グラス竿の先端部は一度折れましたが、こちらも補強して使用していますが、以後そのままです。当地横浜も風が強く、時折40m/sを超える突風に見舞われます。ANT自体は給電部が完全に屋根上に出ている状態で、小高い丘の上ですから、少々風が吹くだけで大きく撓っています。(この記事は少々古いので、ANTの高さが低い写真が載っています)

      > 1.竿の先端の細い所(1mm径)をそのままで アンテナ線を自己融着テープで固定するだけでしょうか?

      竿先は細いため強度不足になります。その為、ヘリカルアンテナの様に竿にワイヤーを巻き付けています。竿先に行く程ピッチが狭くなりますが、表面は自己融着テープで処理しているだけです。200Ωの平衡フィーダーを入手したのでG5RV・・と行きたいところですが、ΔLoopの電気長延長に使うことを画策中です。ATUドライブですので、ATUからループの根元の間に挿入することになりますが、ベストな長さを探る必要があるので少々時間が掛かりそうです。

  8. jg1bvx様

    ご教授ありがとうございました。
    弊方のWEBサイトに、デルタループの写真を載せていますが
    1.竿の一番細い所は使用しないで
    2.竿の内部を被覆電線を通して、先端より出していました。
    これでは、竿の先端の内部側が鋭利になっていたので、今考えればとんでもないことをしていました(笑い)
    現在は 
    1.G5RVハーフ(インバーテッド)+TV300Ωリボンフィーダー(4.8m位)+ah-4 (JT-65 30W運用)なのですが、結構飛んでいるようです。

    2.最近分かったことですが、自宅のUSB録画HDDにインターフェアーがでてUSB HDDが切り離しになります。(時々)

    3.大進無線製のRFコモンモード電流計で測定すると、TVのアンテナ部で50mAも流れております

    4.色々フィルターを入れていますが、なかなかです。

    5.そこでデルタループを+AH-4ではインターフェアー変化しないかな?とまた ノイズも現在7Mhzで 9+ ありますので,低下しないかな?と思い
     17mのデルタを検討しています。

    デルタに戻りますが

    1.竿先(1m位)にワイヤーをまく

    2.軽量ワイヤーPESUS-22

    3.融着テープを巻く

    このような順番と理解したのですが!

    a)段々と融着テープにアンテナ線が食い込まないですか?大丈夫でしょうか?

    b)竿先を固定すれば、その場所で、屈曲の耐久試験みたいになるのでは無いかと?

    古希を迎え 高所には注意しています。
    体は動かないですが、気分はまだ若い(笑い)

    時間があれば、またご教授ください。

    尾崎助市

    • コモンモード対策はクランプ・コア(パッチンコア)が効いているようです。拙宅ではデルタループ給電部直下の同軸ケーブルに20個、隣接する他のANTの同軸やローテーターのケーブルにも同様の処理を施しています。特に同軸化されていないATUの電源ケーブルに乗ってくるケースを確認しているので、屋内側でもクランプ・コアを大量に取り付けていて、総数600個以上です。汗) 現在、宅内インターフェアーは確認できません。

  9. こんにちは。
    QRZ.COMを拝見しました。英語ばかりで、あやわかりしない所もありましたが!
    シャック、リグもすごいですね!

    またコモンモード対策の件
    パッチンコアーを1アンテナに20個も入れているのですか!すごいですね。

    当局の場合
    何かSWR値でも、I が出るのかな?AH-4のチューンを取り直せばでなくなります。TVのCH-6、4が出やすいのかな?LFも2段で入れているのに。
    AH-4コントロールケーブルにもパッチンコアーを三個3連三回巻きで入れていますが、コモン電流は3mAです。

    当局のTVは 監視用にしているので わざと何も入れていません。狭い住宅団地なので、お隣さんとは家内ともども、懇意にさせていただいております(笑い)I が出ても I (目をつむって)を閉じて いただくように(笑い)

    もう一度貴局のブログを読ませていただき、デルタループを検討いたします。
    どうもご指導ありがとうございました。
    尾崎助市

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