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RJX-601 3台のFMナロー化完了!(受信修理も)

 FMナロー化はとても簡単。以前QEXに掲載されていた方法です。R80の抵抗(12kΩ)を68kΩに替えるだけ。あとはT12,T13(FM検波部)の調整のみ。SSGなどなくても、最新のリグからFM変調送信して、音質と音量が最大になるポイントを探せばOK。 FMワイドの状態だと結構いい加減に調整されている場合がありますが、ナロー化後に受信音が極端に歪んだり、聞こえにくくなったりしなければ特に弄る必要はありません。今回ナロー化と同時に不調機の修理も行いましたので、後ほど触れたいと思います。の修理を行う際には同時にFMナロー化をオススメしています。

Fパネル・メーターの裏辺りにR80がある

 RJX-601は1973年から8年に渡り生産されたロングセラー機です。その為。前期、中期、後期で若干仕様が異なるようです。JARLがFMの占有帯域見直しを行った時期を境に、それ以降に発売されたロッドはFMナロー化に対応しています。その場合、R14を取外すことでナロー化されるようですが、後期だけでも3タイプあり、比較対象が無いと判別が難しく、スペアナで変調を確認できればナロー化済みか、未対応か判別がつくのですが、R14が残置状態、R80が12kΩのままなら、間違いなくナロー未対応です。当局、所有機は全て後期型ですが、R80の交換で対応しています。

 AM変調は、所謂「終段コレクタ変調」(直接変調)で今どきの低電圧変調に比べると、深みがあります。写真の右端に少し写っているの変調トランス。このトランスで終段の電源電流に直接変調を加えています。この方式だとリニアリティが高くとれます。昨今の無線機はAMはオマケで、省スペース化実現のためには変調トランスは邪魔なんですね。時間があれば、AF周りのコンデンサをMUSEのオーディオグレードに交換したいところ。1台選んで、HiFi AM化してみるのも面白そうです。RJX-601は教材的要素が強く、正に教科書通りの構造です。トランジスタやFETは代替部品も多いので今後も十分メンテナンス可能です。AMではオーバーMODにならなければ綺麗な変調が乗りますし、何と言っても6mはがら空きです。FMが聞こえてくることも滅多にありません。HFのビンテージ・リグと違って、数千円から入手可能というのもありがたいところです。

受信不良機を修理

中央がCONV段付近 水晶の右がL4

 受信不良機が届きました。送信は問題ありません。
ザーザー音は聞こえてきます。更にアンテナに触れると反応があります。しかし、50MHz帯は一切受信していません。AM・FMを切り替えると、コレまた反応があります。
「ふむふむ・・」疑わしいところが観えてきました。

 Mixステージより後方、かつ復調ステージより手前・・・。この辺が怪しいと診ました。RJX-601は第1IFの21MHzと29〜33MHzのVFOを組合せて50MHzを作り出しています。
まず、Mixtureの2SC1359(TR5)周辺をチェック。石は生きているようです。となりのIF AMP 2SC829も問題ありません。TP1にSSGを繋いで21MHzのAM変調を発振させたところ、受信機は全く反応しません。この後のステージが正常なら、TP1に21MHzを突っ込んだ状態でSメーターが反応するはずです。「更に後方ということか・・・」TP2にRFプローブを繋いでみたところ、殆ど反応しません。そこでTP1にSSGを繋ぎ21MHzを発振させた状態で、TP2横のL4のコアを回したところ大きく針が触れるポイントが見つかりました。イイ感じです・・。
RJX-601のキャリブレーションでゼロビート調整したのち、ANT端子にSSGを接続し50.000MHzに合わせてAM変調を入力したところ見事に受信。変換ステージの21.455MHzの水晶が発振していなかったため、第1IF(21MHz)から第2IFへ(455KHz)変換がされていなかったようです。

RJX-601 前期、後期の見分け方

 因みに、前期・後期の判別方法は以下のとおり。

・ロゴで判別

NATIONAL – 前期
National – 後期

・VFOの軸で判別:

前期型が後期型に比べ太い

・マイク形状で判別:

有名な「棺桶マイク RJM-211」は後期型に付属

・後期でも3タイプ確認

後期-a S/BATT/RF OUT 小さい
後期-b S/BATT/RF OUT 大きい
後期-c アンテナ先端の保護プラスチック形状がRJX-610と同じ

 しかしながら、ヤフオクなどの中古流通が活発化したため、前期・後期が混在している個体も多く、外観形状での判別は、あまり意味がないかもしれません。

Tags: RJX-601, 無線機修理

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