HL-150B(2台目)の調整

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 2台目のが届きました。手頃で便利なリニアです。コンパクトな筐体ですがバンドごとのLPFを搭載しており、トランジスタの互換代替も豊富でメンテンスも容易にできます。東京ハイパワーの破産申し立てが受理され業務を停止してしまいましたが、この程度のリニアなら暫く自力メンテでなんとかなりそうです。 ノーマルのHL-150Bは5w以下でも押せるのでFT-817のアンプとして十分行けます。逆に20wで押せば200w近く出ます。(それ以上だと、完全にオーバードライブ)

HL-150Bの内部 東ハイの技術力は高い!!
HL-150Bの内部 東ハイの技術力は高い!!

 1台目はトランジスタを2SC3240に換装しましたが、200w以下で使うには少々もったいない気がしています。オリジナルはTHP120(2SC2879)ですが、そのままでも150w級のリニアとして使えます。そこで、リニアリティを簡易測定したところ、150w以上だと増幅率が低下する傾向にあることが判りました。ざくっと以下の様な感じです。

入力5w  出力70w
入力10w  出力130w
入力15w  出力160w
入力20w 出力200w
※ 測定周波数 3.550MHz 2トーン

左側のVRでバイアス電圧を調整
左側のVRでバイアス電圧を調整

 SSBだと音質劣化の原因となるリニアリティの低下が見られますので、このまま200wクラスのリニアとして使うには今ひとつです。バイアスを下げて増幅率を下げるとともに、VCCの電圧を15vまであげてみることに。バイアスの定電圧回路の半固定VRを回して調整、規定値は0.7vになっていますが、0.5vまで下げることに。すると、以下の様な結果になりました。

入力5w  出力62w
入力10w  出力120w
入力15w  出力168w
入力20w 出力195w 

 

2トーン チェック中 50w.100w, 200w の波形は一緒
2トーン チェック中  50w, 100w, 200w の波形は一緒

 リニアリティが「若干」ですが改善しました。更に発熱量も下がりトランジスタにも優しそうです。
しかし回路レイアウトが本当にキレイです。デバイス・メーカーの評価回路がベースですが、パーツの配置が絶妙です!。前日、アルインコのEL-250を手掛けましたが、回路構成はほぼ一緒なのですが、所々?を感じました。東京ハイパワーの倒産は残念でなりません。ビックスリーの手が届かない所(ニッチな)をキャッチしていたサード・パーティーの灯火が消えてしまっては・・・。

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