週末の作業(CG-3000リセットスイッチ)
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日曜日は体調を崩し、丸一日無駄に過ごしてしまいました。ローカル局と約束していた移動運用もキャンセルに・・・。桂OMごめんなさいm(_ _)m こんな日はシャック内で工作作業です。

最近気になっていたCG-3000(ATU)のリセットスイッチを作ってみました。CG-3000はキャリアを判別しATU側で自動的に周波数を切り替えてくれるため機種依存がありません。リグ・メーカー製のATUよりも安いしプリセット・メモリ数も多く便利です。キャリアコントロールで動作させるため、メモリリセットは電源をON/OFFで行う以外に手がありません。しかし安定化電源を都度ON/OFFさせるのは些かリスクを伴います。単純にCG-3000の電源ラインにスイッチを設ければ済む話なのですが、どうせなら少しでもカッコウよくしようということで、同調状態を監視できるモニター機能付きのスイッチボックスを制作することにしました。
CQ誌の記事(2013年3月号)によると、CG-3000本体の4p端子は同調完了時に通電状態となるポートが出ているとのこと。
オープン・コレクタとのことなので、NPNトランジスタのコレクタ端子が開放状態でピンに繋がっているようです。同調完了時にベースに電流が流れコレクタ〜エミッタが繋がる仕組みなので、VCCとコレクタの間にLEDを挿入すれば同調完了時に点灯するというシンプルな構造です。ネットの記事を漁ると、LED用のバッファアンプを挿入しているものもあるのですが、無駄な電流消費を抑えたいのでシンプルな方法を採用することにしました。実は乾電池でATUを動作させたいと考えています。CG-3000は13.8v±10%で動作しますが、消費電流は最大0.8A程度です。動作時間は数秒であり一度同調するとメモリに記憶されるので以降は瞬時に同調完了となるため、大した電流消費ではありません。アイドル状態でも0.4A程度です。このスイッチボックス自体で消費する電流は数10mAなのでCG-3000側の消費電流と合わせても単三電池で問題なく動作すると思います。昨今の高性能乾電池は0.5A消費する懐中電灯を500分連続で点灯し続けます。CG-3000とスイッチボックスの組み合わせでも同等の消費ですので、10本直列で16v前後から12v以下に電圧降下する時点まで、約600分(10時間)は駆動させられる計算になります。
パーツ構成は以下の通りです。
- 赤色LED
- 緑色LED入り プッシュSW(ロック式) HB16S
- 電流制限抵抗 1.8KΩ × 2本
- コンデンサ 0.01 μF(セラミック)10μF(電解 16v)
- 基板 サンハヤト 硝子エポキシ
- 3ピンマイクコネクタ (オス・メス) スイッチボックス側
- 4ピンマイクコネクタ (メス) CG-3000側
- DCジャック・ケーブル
- ケース タカチ
- 3芯シールドケーブル 20m
- 基板取付ネジ・スペーサー ほか

今回は全てストックパーツで組みました。当初はトランジスタによるLEDバッファを考慮したので一部部品を基板実装していますが、バラック配線でも問題ありません。ケースはタカチのプラ製ですので加工も簡単です。
CG-3000との接続は3芯のシールドケーブル(m単価200円)20mを使いました。スイッチボックス側は3ピンのマイクコネクタ、CG-3000側は4ピンコネクタになります。電流制限用のRは1kΩ〜3kΩ程度で、LED回路に20mA程度の電流が発生すればOKです。HB16SのON/OFFで電源投入・リセットを兼ねており、ON状態で赤色LEDが点灯、キャリアONで同調開始し同調が完了するとHB16Sボタンの緑色LEDが点灯状態となります。赤色LEDのケース実装は基板に固定することで接着剤の使用を避けました。コモン対策として電源ラインにトロイダルコアを挿入することも検討しましたが、高周波回り込み等によるLEDの異常点灯などは見られないため省略しました。

CG-3000側のピン配列は以下の通りです。
- 1番ピン 13.8v
- 2番ピン 開放
- 3番ピン GND
- 4番ピン マッチング完了時 コレクタ開放
この配線を間違えるとATUを壊すことになりますので、最も注意が必要です。


半導体の無いパッシブ回路ですが、これだけでCG-3000を使用した運用が随分楽になると思っています。ハイQな短縮アンテナだとバンド内でも頻繁にマッチングを取り直す必要がありますが、CG-3000単体では電源ON/OFF以外にリセットできないため非常に不便です。まだ安定化電源を使用しアンテナの代わりにダミーロードを接続しての実験しかできていませんので、乾電池でテストしてみたいと思います。同調完了時のLED点灯は、あくまで同調動作が完了(停止)のステータスを示すもので良好なSWRか否かは判定できません。一応、CG-3000はSWR1.5以下まで同調を動作を繰り返すという仕様になっているようですが、Rig側のSWRメーターで監視していると、ハイパワー・キャリア送出時のSWRは2.0近くまで上昇することがあります。従って、これらのモニター機能は「目安」であることをご理解下さい。
さて、久しぶりに3.5MHzでも覗いてみようかな・・・。
ええっ、TS-940Sの挙動がおかしいぞ・・!
最近、モニター用に電源投入していましたが、PLLアンロック症状が再発してます。
いよいよコンデンサーの容量抜けが顕著になってきたようですね。
修理ポストに入っている、安定化電源とともにラックから撤去して「要修理」タグを付けて棚に移動かな・・・。
JG1BVXさま
はじめまして、JS1BXH 長谷川と申します。
昨年秋に再開局し、現在はCWメインでHFにQRVしております。
再開局に際して、AW-M01/520をエレメントにし、CG-3000を使用したアンテナを構成しましたが、
CG-3000のリセットSWを、貴殿のブログ記事を参考に製作させていただきました。
大変便利に活用させていただいております。
どうもありがとうございました。
また、参照した旨のご連絡が非常に遅くなってしまいました。非礼をどうかお許しください。
なお、リセットSWは稼働から1年を経過しましたが、不具合なく動作しております。
重ねて御礼を申し上げます。
BXHさん、こんにちは。
> 参照した旨のご連絡が非常に遅くなってしまいました。非礼をどうかお許しください。
何を仰いますすか、、へなちょこなモノを作ってご紹介しているに過ぎません。お恥ずかしい限りです。
最近はCG ANTENAさんが同様の製品を出されているようですね。作っちまった方が安上がりですけど・・笑
今後とも宜しくお願いします。(*^_^*)
JG1BVXさん
恐れ入ります。
いろいろ実験されている様子は、とても参考になっております。
CQ誌9月号のATUデルタループの記事も拝読しました。
拙宅(戸塚区です)でも、垂直ANTではフロアノイズがS6と高く、ループを試してみたいと思っています。しかし大きなANTになるので、XYLやご近所に遠慮してなかなか実現できません。
おっしゃるように、自作できるものはなるべく作って安くあげてます。
工学はからっきしなので、皆様の記事を見よう見真似です。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
最近は「実験」より「無線機修理」の記事だらけになってしまいましたね〜〜。
> 垂直ANTではフロアノイズがS6と高く、ループを試してみたいと思っています。しかし大きなANTになるので、XYLやご近所に遠慮してなかなか実現できません。
垂直だとノイズは入りやすいですね。余程地上高が高くないと、地表に反射する近隣ノイズ源の信号がもろに飛び込みます。ダイポールも給電点の高さが低いとノイジーです。その点、逆三角形デルタループは天辺(高いところなのでノイズを拾いにくい)からの輻射がメインとなり、横のエレメントは打ち消し作用でノイズキャンセル効果があるようですョ。
> 自作できるものはなるべく作って安くあげてます。
ですよね〜〜。それがHAMの醍醐味だと思いますデス。