おはようございます。今朝6時台の横浜北部は霙が降っていました。8時には雨に変わっていましたが油断は禁物。北関東は大雪になっています。ということで本日はエクササイズはお休み。ローラー台(ロードバイク用のトレーニングマシン)に乗って30分ほど走りました。久し振りに乗った為かお尻が痛いです。自転車のサイズが合わないからかな? やはり新しいロードが欲しい・・・。

2SC1971 の出荷を確認

 昨日、DHLのトラッキングナンバーが出ました。実際にステータスが反映されるまでに2〜3日掛かります。USから送られるFedex便の場合、日米協定でかなりスムースですが、インポート先が中国の場合は距離に反して時間が掛かります。あまり中国から調達することはないのですが、2SC1971に関してはUSのサプライヤーは持っていません。品物自体はスリーダイヤが刻印されている純正品になります。念の為、6本仕入れました。(使うのは1本) hFEを測定した上で、適当と思われる1本で修理します。明日にはステータスが表示されるともいます。少々お待ち下さい。

HL-1.2Kfx の修理詳細

 週末を跨いでしまったため、“週明けです”号でサラッと書きましたが、備忘録も兼ね、ちゃんと総括しておきましょう。

【ご依頼内容】「動作不良」でお預かりしました。

 オーナー様から以下の様に伺いました。

 同リニアアンプを28MHz帯にて運用中、突然「パシッ」という音がして、前面パネルの「FUSE」のワーニングランプが点灯しました。取扱説明書によると、保護機能として、パワーアンプ基板上のヒューズ(15A)が切れた場合にこの保護が動作し、受信状態となるとのこと。この保護が作動した場合、パワーアンプ基板に異常が起こった可能性があり、東京ハイパワーのサービス課へ連絡とのことですが、同社は既に存在しないため、筐体カバーを開けパワー基盤上に2箇所の15Aのヒューズがあり、そのうちの1箇所のヒューズが切れているのを確認し、予備ヒューズ(15A)に交換して筐体カバーを閉じて電源スイッチを入れると、再び同じワーニングランプが点灯しました。またもパワ ーアンプ基板上の同じ箇所のヒューズが切れているのを確認しました。現在この様な状況で、QSOに使用できません。もし終段トランジスタの「SD2933」がショートしてしまっているならば、部品調達のなどの件についても検討中ですが、修理作業は行えません。なお、電源コンセント(オス)は、電灯電源(売電)でエアコン200V機種を使用する際と同じ仕様に変更しました。(故障時は100Vで運用中でした。)

 当ラボでの検査時の所見は以下の通りです。過去ログと重複しますが。整理のため・・・。

1)電源投入不可(補助電源部故障)

 本機は電源部が間接制御方式で、補助電源でメインリレーをON/OFFするタイプです。本回路はサージ・プロテクションも兼ねており、ACからの誘導雷飛び込み等に対して、サーミスタ×2、プロテクションリレー×1が回路を保護、補助電源投入と同時にPhotoMOSがONになりメインリレー(250V耐圧)を動作させる仕組みです。何故か、全てのリレー、サーミスタが焼け落ちていました。リレーが焼けた際に基板の一部を焦がしたため、プリントパターンの一部も焼け落ちていました。相当な火炎が発生したと思われますが、オーナー様は「覚えがないと」のことでした。取りあえず、ココを修理しないことには先に進めませんので、最優先で着手。リレー3個サーミスタ2個電界コンデンサ1個を交換、焼失したパターンをリードでバイパス、炭化した基板の一部は導通しているため、切除しています。(トータル3人日)

2)ファイナル故障(2SD2933×4アウト)

 SD2933は50V系のパワーMOS FETです。こちらは4本全てがアウトです。ヒューズは片方のみ落ちてます。片側のP-PについてはFET短絡ではなく絶縁異常です。FET一個に対して2個ずつ装着されているサプレッサ・ダイオード8個中3個が故障・・。THPの同クラスリニアには必ず励振超過プロテクション(ODP)が備わっており、オーバードライブするとボックス・ヒューズが落ちるとともに、MPUがプロテクション介入しバイアスが遮断される構造です。この壊れ方からすると、VDDに回り込んだか・・・。サージでも飛び込んだか・・・。???です。因みに、このタイプのパワートランジスタ・FETを着脱したことがある方ならお解り頂けると思いますが、無線機修理に於ける“ガテン系ベスト3”に入る作業であります。しかも4本です。交換後はバイアス調整が欠かせませんが、ココで一旦“3)”に飛びます。バイアス調整で失敗する人が多いのですが、下手すると新品の石がお釈迦になります。出力トランスの両プッシュプル出力にコンデンサーを取り付けてバランサーを付けてから作業すれば良いだけの話なんですけどね。(施工後残しても良いがサプレッサ・ダイオードを付けるので不要)そのように施工しました。因みにSD2933はP-P毎に特性の揃ったMP指定品を用意しました。大手サプライヤーの自社在庫品はSTM製のオリジナルですが、これらはバルク品と思われます。(トータル2人日)

3)ディテクター内の入力バイパス切替リレーも故障

 “1)2)”をそれぞれ修理しましたが、エキサイター入力に対して全く反応しません。入出力部のディテクターユニットを着脱(コレ結構手間です)しリレー周りを確認したところ、入力側の小電力ラッチング・リレーが逝ってました。THPリニアばかり直しているの、このリレーは在庫があります。ww (トータル0.5人日)

4)ダメ押しのコントロール・ユニット故障

 上記修理で取りあえず電源投入〜動作まで確認できました。毎度申し上げるとおり、ラボは100V環境でして、15Aも流れる機器を繋いだ場合、確実に電圧降下が起こります。案の定、激しいドロッピングが起こり、VDD電圧が50V→送信時40Vくらいまで一気に降下しました。仕方がないので、電源トランスのタップを110Vに切り替えてテストしたところ、VDD48V→送信時45V程度で何とかテスト可能に・・。そんな状態で“2)”の“after dot line”を“Completed”した次第です。ところが、電源をON/OFFしていると、数回に1回の割合でVDワーニングが点灯してしまうことが判明しました。こちらは、VDD50Vをオペアンプが監視していて、正負入力にそれぞれ接続された被験電圧・基準電圧に一定値以上の+乖離が発生するとワーニングを発する仕組みで、このオペアンプが動作不良を起こしていることが判明しました。こちらはTHPのロゴが刻印されるデバイスで一般流通していません。これは流石にお手上げです。まぁ、同じピン数のオペアンプを持ってくれば何とかなるかもしれませんが、これでは出口が全く見えません。また、国内の電力事情から鑑みても、ピーク・スキップが発生する危険性は極めて低く、その他の冗長されたプロテクション機能で十分保護されるハズです。(今回の故障原因は不明ですが・・・) そんな訳でオーナー様ご了承のもと、オペアンプの入力に繋がる抵抗1本の脚を浮かせました。以後、ワーニングは発生しません。(予定外の1人日)

 ということで、重篤++の状態でしたが、完全に機能回復しております。100Vタップに戻してテストしましたが、VDDが40Vまで降下しているにも拘わらず、80W入力で600W出ています。200Vで電圧降下の少ない環境であれば、VDDは50V近く掛かると思いますので、恐らく定格+α出るのではなかろうかと・・・。 トータルで6.5人日となりましたが、御見積時のお約束通り3.5人日でカットオフです! お疲れさまでした。m(_ _)m

あら〜〜〜〜

焼け落ちた部品達

迂回路設置(白リード)

PhotoMOSリレー到着

電源投入確認

サプレッサ・ダイオード ご臨終

MosFET 全撤去完了!! バランサー仮設

SD2933MP 装着開始

スタンバイ時のVDDは50V

動画も再掲載しておきます

 オーナー様曰く「受信時に故障」とありましたが、受信時にもVDDは印加されています。以上の通り、故障箇所はVDDに関わる部分です。VDDにAC200V繋いでしまったとか・・・。あり得ないな〜〜〜。最後まで故障原因がハッキリしない、珍しいケースでした。以前、空中線が隣接する環境で別系統の送信機から発せられた、異なる周波数の電波が回り込んでリニアが壊れたケースがありました。キロワットを許可されておられる環境ですので、その辺りは十分考慮されているハズです。

 因みに、「西の巨匠」のブログに同様の案件が書き込まれているのを偶然見つけました。取りあえず「貴重なTHPリニア」をまた一台治せてよかったです。(^o^)

 

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