おはようございます。今朝も快晴、本当に10月後半なのかと疑いたくなる様な陽気です。ところが外を歩くと木々が色付き始めています。先週は寒い日も何日かありましたので、そのせいでしょうかね〜〜。先日、1年ぶりに母校の並木道を歩きましたが、銀杏の香りに秋を感じました。

 IC-756proは部材調達の為、一旦ラインを降ろしました。今週は2ラインを閉鎖しておりますので、小生の担当ラインのみ稼働中です。無線機によって電源ケーブルや試験用マイクなどが異なるため、作業環境のセッティングも変える必要があるんです。ケーブル類などは出しっ放しにするとカオス状態になるので一々片付けております。「アレっ、マイクが無いな〜〜」 最近TS-950SDの検査で使用したはずです。マイク箱中で絡まる20本のカール・コードを解きながら「ケンウッドの8ピンお握りなんて持ってたっけか??・・」 そういえばケンウッド機のテストはデスクトップ型のMC-80で行っていました。今回お預かりしたのはTR-751(モービル機)だった為、ついつい「お握り型」をイメージしてしまいました。睡眠不足のせいか、加齢によるボケなのか、しっかりせねば・・・です。汗 因みに、当ラボでは故障判定・試験にラボ所有マイク・同梱マイクの両方を使用します。希にマイク故障による不具合があるためです。

OH入場のTR-751

2016-10-18-23-04-48 ということでネタを先に書いちゃいました。TR-751がご入場中であります。以下のご相談を賜りました。

  1. 交信相手に変調が浅いと言われます。言われたのはFMですが、おそらくSSBでも送信時の針の振れ具合からあまり変調がちゃんとしていないような感じです。
  2. 受信感度が悪いような感じを受けます。根拠はSSBのホワイトノイズが以前の記憶より少ないと感じるのと、FMでは無受信時には針は0の位置にいますが他のモードだと1の位置に針があるためです。
  3. 交信相手から周波数がズレぎみとも言われたことがあります。
  4. 古くなったリグですので総合的な点検と必要なら各部調整修理を希望します。

 古いリグですのでオーバーホールということになりますね。早速拝見しましたが、FMでは「変調の浅さ」は特に感じませんでしたが、SSBのトークパワーはコンデンサ・マイクのMC-80を使用しても「少々物足りなさ」を感じました。受信感度は確かに若干低い様です。周波数ズレはPLLとBFOを調整でイケそうです。取りあえず、内部の目視から始めます。

顕著な部品劣化は確認できず・・・

 ケミコン容量抜けや液漏れなどは無いようですね。オーナー様が既に交換された部分も確認しました。取付も問題ありません。ご通知頂いた「受信ゲイン」のツマミが少々浮いていますが、動作には影響ありません。送信時に定格に近い出力を確認しましたので、RF〜PAの各素子も生存を確認しました。そのまま調整に移行します。まずはメモリ・リセットから・・・・。Composite ユニットからJ12、J202を外しておくことを忘れずに!!

PLLが大きく離調・・

 “ADJUSTMENT”に従って進めて行きます。上部ケースを空けシールドパネルを撤去してPLLユニットにアクセス、まずはPLL(B)から診て行きましょう。TP9の電圧が6.0V±0.1Vが規定値す。少々ズレていました。L34を調整します。FMからLSBに切り替えて3.0V〜4.2Vに収まっていればOKです。

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 続いてTP4にオシロを充てます。この際、0.3V〜0.8Vに収まっているべきですが、念の為、規定値を出しておきます。L21で最大値を出して、半時計回りに0.02V絞ります。

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 次はOSCの出力調整、TP5にオシロを充ててL24で最大値に設定します。こちらも低めでした。

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 RIT BPFの調整です。TP3の波形を観ながら、L28、L29で最大値に設定します。0.25V〜0.5VあればOKですが、0.25V以下の場合はL29のコアを表面レベルまで上げてから、L28、L29を繰り返し調整することで最大値を得ます。こちらも若干ズレていました。

 PLL(A)側の調整に移行します。LSBモードのままTP6にオシロを充て、L20、L19、L18の順に調整して最大値を得ます。144.000MHzにセットしTP2の直流電圧が1.7V±0.05Vとなるよう、Tc1を調整します。アッパーエッジの145.999MHzで3.6V程度であれば、PLLはロックします。144.999MHzに移動し、最初に外したCompositeユニットのJ202を元に戻してから、TP1にオシロ充ててTc3で最大値に調整します。

 今度はリファレンス周波数を調整します。FMで145.000MHzに合わせ、TP1に周波数カウンターを繋いで134.305.000MHz±50Hzに調整。当ラボでは1Hz単位の精度で調整していますが、経年変化する部分ですので10Hz単位で構いません。

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 RITをセンターにしてオンします。USBに切替てVR8を調整し、134.306.000MHzに合わせます。SSBの周波数ズレはココの離調が原因でした。RITの稼働範囲のチェックし、±1.2KHzであれば規定値内ですが、本個体はRFゲインVRを交換されている関係か、規定値よりも広めでした。実用上問題ございません。

 続いてキャリアポイントの調整です。USBのまま、J12のCARにオシロを充てます。L40を回して最大値を出します。そこから反時計回りに0.3V低い値に調整します。そのままプローブを周波数カウンターに繋ぎ変えて、10.693.50MHz±50HzとなるようTc7を調整、LSBに切替て、10.696.50MHzとなるようTc5を調整、CW送信状態で、10.694.30MHz±50HzにTc6を調整します。ココもかなりズレていました。

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 以上で周波数ズレは完全に解消されました。続いて受信感度の調整です。

 SSG(0dBμV)145.000MHzをANT端子に繋ぎ、FMにて、L204、L206、L207、L7、L13の順番に調整、Sメーターを最大値に調整します。その後、再度PLL側にアクセス、Tc3を調整してSメーター最大値を得ます。SSGを-10dBに絞り、SP端子にAFメーターを繋いでL15を回して最大値を得ます。

 今度はSSB/CWの感度調整です。CWモードでRFゲインを絞ります。TP4にオシロを繋ぎます。Tc1を調整して5mVP-P以下になるよう調整します。続いてて、SSGで-10dBでRFゲインを最大に設定、L3、L4、L5、L6、L2、L1の順に調整し、AF出力が最大になるよう、繰り返し調整します。これでSSBの受信感度は改善されました。

 Sメーターの校正です。FMでSSGからodB(変調無し)入れます。L207、L7で最大値を得ます。VR5を回してメーター現示”S2″に合わせます。SSGの出力を30dBまで上げ、フルスケールとなる様、L5を調整します。今度はSSB/CW時のメーター校正です。CWに切替て、無信号時ゼロポイントとなる様、VR3を調整します。RITをオンにしSSGで0dBを出します。RITを回して、Sメーターの振れが最大になる様、調整します。この際L5を回して”S1.5″に調整します。SSGを30dBに上げてSメーターが+10dBまで振れる様、VR4を調整します。以上を数回繰り返して、メーター校正は完了です!

 NB、スケルチもチェックしましたが、問題はありません。受信系はクリアです。

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送信系の調整

 RXユニットの調整から行います。まずはIF出力の調整です。Tc2を中間容量に設定し、FMモードで送信します。(注:CompositeユニットのJ12は開放のまま)J12のTIFにオシロを充て、L21で最大値に設定します。

 送信キャリアレベルの調整します。CW送信状態で、J12-TIFのRF電圧が0.25V±0.01Vになる様、VR10を回します。

 FMの送信周波数校正です。J12-TIFに周波数カウンターを繋ぎます。FM送信時に10.695MHz±50Hzになる様、Tc2を調整します。調整後にJ12を元に戻します。

 ドライブ出力の調整です。CompositeユニットのDOを開放します。ココにRFボルトメーターを繋ぎ、L5、L6、L7、L8、L9、L1の順に調整し、最大出力を得ます。RFボルトメーターが内場合はオシロでも構いません。(0.3W程度ですから) 続いて、Tc1、Tc2、L7、L8、L9の順に最大値になる様、繰り返し調整ます。(順番が大事です)この際、L9のコアが上がりきらないように気をつけて下さい。発振を起こします。調整後にDOを元に戻して下さい。続いてファイナルの調整です。CWモード(ローエッジ〜ハイエッジ)で規定出力となる様、以下を調整します。

2016-10-19-12-23-28 まず、CompsoiteユニットのVR4、PA(ファイナル)ユニットのVR3を最大値に設定します。ここで27W出ていれば、ファイナルは問題ありません。20W程度に調整しておきます。LOWモードで5W程度になるよう、CompositeユニットのVR3を調整します。

 デビュエーションのチェックです。FMハイパワーで、マイク端子から1KHz/28mVを入れます。スペアナで4.6KHz帯域内に収まる様、VR7を調整。同様に、2.8mVで3KHz程度になる様、VR12を調整します。以下、省略・・・。

 送信キャリアポイント、キャリアサプレッションはチェックのみですが、問題ございません。特に送信キャリアポイントに関しては、声質によってセッティングが異なるため、規定値誤差範囲内であればOKかと・・、キャリアサプレッションは-55dBを下回っているので無調整です。

 SSBマイクゲインです。こちらも規定値に収まっていました。以下は簡単なスプリアスチェックですが、問題ないと思います。

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近傍スプリアス特性はクリア

 

 

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