IC-R7000に着手したところで、早速部品調達により小休止です。FL-7000の診断を進めることにします。こちらはPoメーターの動作不良とのこと。各所に修理依頼され断られたと伺いました。どうやら当ラボが最後の砦のようです。そうなると、俄然気合いが入る小生であります。

一世代前の大型リニア

FL7000が初入場

FL7000が初入場 重もっ・・・!!

 FL-7000はPc300wの2SC2652の2パラ・プッシュプルによる大型リニアアンプ。入力80wで600wを出力します。既に四半世紀前のソリッドステート・アンプですが、ATUを内蔵し、オプションの4cH ANTスイッチを繋げればリニアアンプからフル・コントロール可能です。電源一体型なので使い勝手も良いと思います。

 お預かりした個体はPoメーターの動作不良です。SWR、VCC、ALCは正常に表示しているようなのでメーター自体は生きていそう・・・。普通なら方結アフターのダイオード整流回路辺りを疑います。LPFユニットの直下、ATUとの間にカップラーが置かれ、そこからFwd(進行波)Rev(反射波)を取り出しています。それぞれ整流後にFwdは出力、RevはSWRを表示します。SWRは針が振れるため、Fwd側のダイオード不具合(1SS101)を疑ったのですが、正極導通を確認しました。メーターまでの間を追って行くと、回路図上はコンデンサは無く、本来ならテスター導通が確認できるはずですが通りません。何処かで回路が寸断されていることは間違いなさそうですが、“単純な故障”と高をくくっていました。

回路図に無いオペアンプが・・・

最初に疑ったのは方結直下のダイオード

最初に疑ったのは方結直下のダイオード

 どうやらPROTECTOR UNIT上で回路が寸断されているところまでは掴めました。回路図を見るとメーターまでの間に47Kの半固定VRがあるだけで、テスターの直流を遮るコンデンサー類は皆無です。ハンダでも浮いてしまっているのでしょうか・・。変なモノを見つけました。回路図に書かれていないオペアンプ(6552)です。基板には回路図に存在しないQ10の標記がされていました。回路図上はオペアンプ6回路が構成されおり、2chの6552なら3個使用されているハズ。ところがコレが基板上に4個あるのです。しかも、その内1個が出力メーターのラインに在ります。6552は4558コンパチブルのオペアンプで、一般的なDIP8ピン配置で、1番ピン(7番ピン)が出力、2番・3番(5番・6番)が正負入力、4番がGND、8番がVCCという、極普通のオペアンプですが、この用途不明な6552は、1番・2番が短絡しPoメーターに繋がり、3番にFwd信号、4番がGNDから浮いている状態、VCCであるべき8番と5番が短絡、6番・7番も短絡して外部とは繋がっていません。

何故かOPAMPが4つ???

何故かOPAMPが4つ???

どう考えてもオペアンプとしては動作しません。1日悩んだ結果、「プロテクター回路」であることに気付きました。1ch側のオペアンプは無限大のNFBで帰還され、GNDを浮かせることでマイナス成分を打ち消しています。つまり入出力比1:1のアンプ、「ただのスイッチ」ということです。つまり電源が投入されているときだけ導通する、トランジスタ・スイッチということになります。オリジナル・リビジョンでは、電源の入り切りに関係なく、Poメーターが動作する構造です。この構造に問題があるとは思えませんが、何かの理由により途中からこの様な回路構成に変更されたのでしょう。よく見ると基板上にプリントされているユニットナンバーの後ろに“A”の文字が印字されています。リビジョンがアップされていることを示していました。

4558で代用

6552(Q10)を取り外した

6552(Q10)を取り外した

 まずは6552を取り外しピン間の導通をチェックしました。案の定、壊れていました。6552は4558互換のオペアンプです。オーディオ回路では無いので周波数特性やSNは関係ありませんので、手持ちの4558で代用することにします。この様なトリッキーな使い方なので、またいつ何時壊れるか知れません。基板にはDIP8用のソケットを付けることにしました。将来4558が壊れた際に簡単に交換できるようにするためです。ハンダ付けされたICの取り外しは面倒ですよね。これならオーナー様ご自身で作業可能になります。

Poメーターが復活!

組戻します

組戻します

 PROTECTOR UNITはフロントパネルの裏にあるので、脱着のためフロントパネルとシャーシの一部を分解しました。これを組戻します。早速エキサイタを繋いでみましょう。まずは電源投入・・・。美しい緑色の照明が点灯しました。VCCはSSB、RTTYでキチンと電圧が切り替わることを確認。スタンバイ状態で各スイッチの動作を確認しました。まずはスルー状態でエキサイターからパワーを入れてみます。FTDX3000から出力10w突っ込んだところ、Poメーターが動きました。50wの半分手前まで針が振っています。次にOPERATE状態にしてパワー入れたところ、200wラインを超えました。500wの終端電力計を繋いで、Poメーターの誤差を確認、VR07を回して最大入力の500wになるようにエキサイター出力を調整し、Poメーターを校正しました。取りあえずロードしてみます。問題無ければチェック・アウトです。

 

 

 

 

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2 Responses to FL-7000に着手 【2016/01/05】

  1. 谷 衞 より:

    FL-2100Bの修理はしていただけないでしょうか?

    • jg1bvx より:

      修理可能ですが、200v設定だと取り扱い出来ません。100vタップでの調整が前提となりますことご理解ください。

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