そんなこんなで帰宅(帰社)、ご予約頂いているアイコム R-7000の故障原因特定作業に入っております。電源投入不可能とのことでお預かりしております。確かに電源は入りません。電源が入らない場合のアプローチ方法は、以下の通りです。

  1. 内部ヒューズのチェック
  2. 整流ラインの絶縁抵抗を測定
  3. 各ユニット毎のDCライン絶縁抵抗値を測定

整流回路の内部ヒューズ 溶断確認済

整流回路の内部ヒューズ 溶断確認済

 1.は外部ヒューズと内部ヒューズを搭載する機器の場合、意外に内部ヒューズの溶断に気付かないことが多く、内部ヒューズの交換のみで復旧するケースが多々あります。特にAC電源内蔵機器の場合、ACラインが外部ヒューズ、DCラインに内部ヒューズを搭載している場合がございます。当然ながらヒューズ自体も経年劣化しますが、回路内に絶縁抵抗が下がった半導体が在ると、完全短絡せずに数アンペアの直流電流が流れ続けることがあり、AC側のヒューズが瞬断せず高負荷状態が持続、最終的にトランスや整流ダイオードを焼損します。これを避ける為にDCラインの設計電流よりもやや高めの値のヒューズが整流回路上に挿入されていることがあります。R-7000は正にこの様な構成です。この個体も外部ヒューズは正常です。底蓋を開け、整流ユニット上の内部ヒューズを視ると、案の定“溶断”していました

 そこで、2.をチェックします。ヒューズの下流側絶縁抵抗を測定すると、数キロΩあります。この後ろは定電圧回路でトランジスタ3石で構成。そこまでは絶縁抵抗値は一緒なので、定電圧回路から下流を切り離し、無負荷状態で整流・低電圧回路を動かすことにしました。溶断した2Aヒューズを交換し電源を投入すると約17Vの端子電圧を確認。設計電圧は13.8Vなので少々大きい気がしますが、無負荷ですので無視することにします。やはり、メインユニットより後ろに原因があるようです。

無線機ではなく受信機!!

無線機ではなく受信機!!

 メインユニットと定電圧ユニットを切り離します。IC-R7000の電源ラインはメインユニットが最上流です。ここから下流に向かい、3.を実施、順繰りに回路をチェック。ここは実験用の外部電源から13.8Vを直接投入することにします。内部ヒューズの断流値が2Aですので、30Aの大電源であればビクともしないはず・・・。回路遮断時の絶縁抵抗値は数キロΩあるので即短絡はありません。外部電源を繋いでみると、何とディスプレイが表示され、照明も点灯するではありませんか。VFOを回すとキチンと追従します。各ボタンも正常に動作することを確認しました。ところが外部電源の電流計が、ナント4Aを表示しています。この時電源を投入した時間は十数秒程度、流石にこれ以上は危険です。今度はメインユニットから下流を切り離し、もう一度同じチェックを実施。すると今度はインジケーションは表示されず照明も点灯しません。しかし電流計は3A以上を振れています。かなり絞れてきましたョ。ここから先は回路図と睨めっこです。メインユニットのVCC上に疑うべき箇所が無いか確認します。13.8Vラインはメインユニット上で内部VCC回路と下流回路へ分岐します。下流への分岐点にはライン・インダクタが挿入されておりDC-DCコンバータへ供給されるほか、8V系を作り出すために3端子レギュレータも存在します。13.8Vが直接供給されるのは、幾つかのオペアンプです。3Aも流れると言うことは、相当な発熱を伴っているはず・・・。ここは身体を犠牲にするのが手っ取り早い?。メインユニットに手を充てながら電源を投入すると、数秒で温度上昇する場所を発見しました。AFアンプです。この型番を検索すると、出てくる出てくる・・・ww どうやらこの素子は壊れると内部絶縁も崩壊するようで、同様の症状が多発していることが判りました。整流ラインのヒューズが2Aに設定されている理由が頷けます。(完全に修理方法のレクチャーになっているし・・・wwww)

 ・・・・と言うわけで、修理可能と判断するに至りました。

 オーナー様に状況・工数・御見積をご連絡しました。既にシルバーウィークに突入しています。続きは連休明けに。Happy weekend !!  おっと、今日は娘の20回目のバースデーだった・・。

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