回路図と睨めっこです。ここ1週間眺め続けていたため、回路図はほぼ頭に入りました。(汗) まず、キャリコン周辺は完璧です。(意味不明w) まだ仮説の段階ですが、やはり最初に疑った通り、NJM2072内で自己発振が起きているとみています。備忘録的に書き出しておきます。

 NJM2072の内部構成は、“入力” → “反転増幅回路” → “ダイオード検波” → “シュミット・トリガー” → “出力”からなります。入力は-39dBv〜-33dBvと高感度であるため、10w〜50wのエキサイタ出力に対してカップラー出力をATTで減衰しない限り、入力オーバーとなります。本機では NJM2072の“反転増幅回路”をスルーして“ダイオード検波”に直接突っ込む仕組みを採っています。

HL-350Vdxのキャリコン周辺

HL-350Vdxのキャリコン周辺

 一方、2系統のオープン・コレクタ回路のうち、TXトリガーの生成を行っているのは7番ピン、即ちNJM2072への入力トリガーをキャッチした時に回路が遮断され、7番ピンに約8VのHi電位が現れます。(VCC=3V時)この8VはTXトリガーの2SC1959のベースに分圧抵抗を介して接続されます。トリガーが動作していないときは常時3Vの電圧が掛かっており、分圧後の電圧はTX時に1.2V、RX時に0.45Vとなります。トランジスタのオープンコレクタを開ける際、ベース・エミッタ間の電位差が0.6V必要とされているのでこの数値は頷けます。他方でRXトリガーの2SA988は、受信プリアンプを動作させるため11Vがコレクタ〜エミッタに掛かっています。TX時には遮断する必要がありますが、TXトリガーが掛かった際にベース・エミッタ間の電位差が0.6V以下になるよう分圧抵抗値を設定しています。RX時には電位差が最大(2V)になるため、エミッタ〜コレクタ間が開通しプリアンプに電源を供給される仕組みです。つまり、2SC1959とは真反対の動作となります。

 更に本機のキャリコン電源はVCCを効率よく使い回す設計が施され、動作電圧が3Vと低く設定されているにも拘わらずトリガー出力は8Vを生み出します。回路を観ると分かりますが、VCCの5V、出力のプルアップに繋がる12Vは2系統から供給。5番を短絡させた場合にVCCを逃がすためのバイパス回路にも注視。これらも発振を誘発する要因である可能性があります。このICは通常この様なトリッキーな使い方はしません。

 前述の通り本機ではNJM2072の反転増幅回路は使用しない設定となっているので、DETECTOR回路の手前(3番)に突っ込まれます。本機では発振防止の為、使用しない端子にはコンデンサーGNDが施されたり、3番から2番に戻るNFB抵抗も備わっています。NFBの値を十分低くすることで帰還量を増やし増幅回路の動きを止めているようです。また、部品の調達効率を優先したためか、抵抗・コンデンサの値は7割が同一、必ずしも最適化されていない箇所が多いものと考えます。NJM2072も交換したにも拘わらず、ハイロックの症状が治まりません。周囲のコンデンサも交換していますが・・・。

故障原因の確認

 オーナー様からヒアリングしたところ、ACC端子に自作機器を接続中に故障した可能性が高いことが判明。ACC端子はNJM2072の5番ピン(遅延キャパシタ)、入力レベル検出、GNDが繋がっています。12V系はRemote端子から出ていますので、セットで使用すれば短絡のリスクもあります。その様な場合に故障しそうな箇所も全て確認しましたが問題ありません。前回から疑っているサージ被害が関与しているとしても、手前のダイオードが防波堤になっています。

 更にNJM2072の内部発振を疑うもう一つの理由があります。それは、入力トリガーを使わず、5番ピン短絡による強制ON/OFF実施の際にはハイロックが起こりません。そうなると、3番ピンに入力される信号に起因して自己発振が起きていると考えるのが妥当です。そうなると発振防止用の1番、2番のコンデンサが怪しいのですが・・・。本機は両面基板ですが、スルーホールは裏表両面がハンダ付けされており、抵抗1本外すにも意外に手間が掛かります。仕事納めとなる1台が今年最大の山場となるとは・・・。メーカーなら即ユニット交換となるところです。汗汗

 最悪、NJM2072を撤去してしまう方法も。エキサイタの出力によりますが、RF整流後の電圧が1V取れればNJM2072を使わずとも、2SC1959の開閉が可能です。方結分岐後にダイオード整流した電圧を測定したところ、10wで1v程度、50wで2v程度ありました。ベースの分圧抵抗を変えれば何とかなりそうです。2SA966はオープンコレクタとの電位差があるので、1段噛ます必要があるかもしれません。若しくは、2SC1959のコレクタと2SC966のベースを繋ぐという方法もアリでしょうか。ダイオードを介して分圧抵抗によって12Vから降圧してやれば、出来ないことはないのですが・・・。

 

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