休日返上作業はまだ終わりません。今日も作業中に2台お預かりしました。直接持込される方がおられますが、事前にご連絡頂きませんと留守の場合も多々ありますので、ご迷惑をお掛けする場合がございます。また土日は定休日ですので、宜しくお願い致します。 本日はわざわざ栃木からお越し頂きましたが、偶々居たのでご対応させて頂きました。遠路お越し頂いても無駄足になる可能性がございますし、重たい無線機を担いでくる間に事故があってもなんです。また、修理可能か否かもございます。連日35度を超える猛暑日。無線機よりもお身体を大事になさってください。(^_-)

往年の人気モデルのご入場

往年の名機 IC-505 初入場

往年の名機 IC-505 初入場

 土曜の深夜から慣れない機材と格闘中です。アイコムIC-505は80年代に登場した50MHzポータブルトランシーバー。SSB/CW/FM(オプション)を搭載、50.000MHz〜54.000MHzをフルカバー、出力は可搬機では最大の10wを誇ります。先代のIC-502シリーズはVXO方式だったのに対して、本機からは発振はPLLになってデジタル表示へ、専用バッテリーを使えば充電も可能という時代を先取りしたトランシーバです。80年代はアマチュア無線から遠退いていた時期で、この機種の存在こそ知っていたものの、お目に掛かるのは今回が初めてであります。当時はFT-690がブレイクし、ナショナル(松下)は既に撤退した後でした。アイコムの可搬機はハンディ機を除き、これが最後となりました。平衡回路に専用のICを使用したり、ダブル・バランスド・ミキサーを送信混合段に使用、スプリアス抑制もー-60dB以上と、固定機並の性能を誇っています。今回お預かりした固体は「変調が浅い」「電池が使えない」などでお困りとのこと。初対面ですが、何とか解決に向け取り組むこととしました。

特殊形状のDC入力

 端子形状が三極のDCプラグ・コネクタは今時入手が困難です。IC-502Aシリーズも同じ形状のコネクターを使用しております。オーナー様はこのDCケーブルをお持ちでなく電池での運用をお考えとのことですが、何故か電池側からは電源が供給されないとのこと。電池と外部電源の切替は、DCコネクタ内部で行っており、プラグを差し込むと自動的に電池側が切り離される構造となっていて、どうやらココが機能していないようです。分解清掃は不可能なので、大容量のダイオードを電池回路と外部電源回路の間に挿入することで、外部電源から電池側へ電位が掛かることを防ぐ対策としました。

変調が浅い

 当時のアイコムはマイク内にパッシブ型のアンプを内蔵していました。その為、社外品を使用する際にはマイクアンプが必要でした。オーナー様は現用品のHM-21を使用されたいとのことで対策を検討。改造せずに何とかなればと思い、バランス・ミキサーの入力VRを最大にしましたが変化は僅か、SSB/FMともに変調が薄いため、マイクアンプ(オペアンプ)のNFB値を変更したり、入力側の抵抗値を落としたりしましたが、効果は見られませんでした。HM-21やHM-36は、マイク回路のホット側にファンタム電源を重畳させることでECMへ電源を供給していますから、この機能を持たないIC-505では本来使用できません。やはり魔改造が必要。

リミッティング・アンプ+ファンタム電源を追加

リミッティング・アンプ取付中の本機 

リミッティング・アンプ取付中の本機

 2SC1815と1N60を使った小さなリミッティング・アンプを組むことにしました。部品点数8個ですので、FCZ基板の上にパーツ実装して1cm×2cmに纏めてみました。送信時8V供給されるラインからVCCを取ることにします。メインB基板(ロジック基板)のJ1端子にTx-8Vが来ているので、そこから引っ張ります。この基板でマイクのホット側に+電位を重畳する機能を搭載させました。FCZ基板の裏側に両面テープを貼って、メイン基板上に貼り付けました。メンテナンス時には簡単に剥がせます。

その他

 本機はメモリ・バックアップ用に単三電池4本を使用しますが、この固体では液漏れと電池ケースの破損により機能していないため、これら撤去することにしました。本体乾電池からバックアップ電源を取るよう改造します。

仕上がり

 上記の通り、一部改造・回路追加を行った後に、細部調整に移りました。他の無線機と同様にIF段、RF段、BFOを中心に調整して行きます。本機はサービスマニュアルを入手できなかった為、完全に手探りで進めることに。英語版のInstruction Manualに主要調整箇所が記されていたので参考にしました。BFOはタップポイントあ不明なので、FTDX3000をリファレンスにして、鳴き合わせで調整したところ上手仕上がった様です。送信は少し弄っただけでFM 20wを確認。石の定格的には完全にオーバーなので、バイアスを調整して若干下げました。東京ビーコン 50.490MHzを受信したところ、すんなりS9で入感。丁度8エリアのコンディションがよく50.200MHz付近で数局入っているのを確認、受信は問題無いようです。

 

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