お昼に弁当を買いにあざみ野まで出ました。北西の空がどんよりと曇っておりました。雷雲でしょう。山岳部はかなり荒れていそうです。横浜北部地域は今日も蒸し暑く、冷房フル稼働であります。

2SC3240 P-P

2SC3240 P-P

 お馴染みのリニアアンプをお預かりしています。東京ハイパワーのHL-150Bであります。こちらはTHP120(2SC2879のMP選別品)ワンパラのHFリニアで、10w級を100wに押し上げるオーソドックスなリニアです。本機は1990年頃に発売されたアンプで、WARCを含むHF全バンドに対応しています。リモート端子経由でバンド切替が行えるほか、キャリコン内蔵なのでエキサイターを選びません。5バンドのLPFも搭載していますが、この辺りは200wタイプのHL-200Bdx等と同様です。BVXラボでは何度か扱っている製品であり、また個人でも所有しております。今回入場している個体はファイナルが逝かれていて交換が必要とのことでした。拝見したところTHP120の片方が完全にアウト・・・。ところがTHP120(2SC2879)マッチペアのストックが無く、同クラスの2SC2510も在庫がありません。ケース構造やサイズ的に互換性がある在庫は2SC3240のみです。

Pc=270w の頑強なトランジスタ

帰還回路のHi バンド帰還抑制コンデンサの容量をアップ

帰還回路のHi バンド帰還抑制コンデンサの容量をアップ

 2SC3240は12v系のパワートランジスタの中では最大定格を誇ります。アマチュア無線機ではFT-747、FT-840などの終段トランジスタとして使用されたほか、自衛隊や船舶用機材で度々見かけた石です。PcやIcが大きくてもhfeが大きいという訳ではなく、THP120(2SC2879)と大差ありません。条件によってはTHP120の方がパワーは出やすいと考えられます。端的に言うなら、2SC3240は耐久性に優れるということです。今回HL-150Bを修理に際し2SC3240を使用することにしましたが、そのままでは2SC3240のメリットを生かせないので、少々手を入れることにしました。

アッテネータ定数の変更

ATTの定数変更

ATTの定数変更

 本リニアアンプは入力側にL型ATT回路が構成されています。エキサイタ側のSWR補正とインピーダンス補正を兼ねていると思われますが、約4dB減衰する計算になります。パワートランジスタの入力インピーダンスは10Ω程度です。プッシュ/プルで構成される場合は約5Ωです。3:1のトランスですので、入力側は45Ωになり5Ω分のロスが生じますが、実質問題はありません。2SC3240を使用することを想定するとドライブ電力が不足しますので、ATTの定数を変える必要があります。そこで、ATTを-2dB程度とすることにしました。入力ラインに挿入されるR24、R25(並列接続された抵抗)の合成抵抗を半分に抑える、即ち、並列に22Ωを挿入することとします。また、帰還回路のHi側フィードバック抑制コンデンサC21の容量をアップさせて、28MHzの出力不足を補うことにします。ファイナルのバイアス電圧はリニアリティ重視で調整。結果的に、入力10w時にLow側で最大150w、Hi側で100wを出力することを確認。手持ちの管ヒューズが20Aが最大なので、この程度で止めておきます。コレクタ損失に十分余裕があるため発熱量も少なく強制空冷は不要です。ATT回路の発熱量も5wのセメント抵抗をパラで使用したため全く気になりません。トランスの発熱が少々気になります。これは完全に熱損失。

7MHz 入力7w ヒューズの関係でこれ以上は厳しいw

7MHz 入力8w ヒューズの関係でこれ以上は厳しいw

 IMDよりも耐久性重視?? かつて27MHzのアンプに10パラ・プッシュプルで使用された石ですから・・・汗。2トーン入れて確認したところTHP120と同等の特性です。

 各バンドで特性を測りつつ、ロードしております。Pc=270wとのことですが、某氏によると400wでも壊れなかったとのことです。10w入力なら満足できるソリッドステート・リニアだと思います。ALCで最大値を調整して作業終了。

 

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