久しぶりの502です。今更、説明など不要ですね。70年代に一世風靡した50MHzポータブル機です。当時はこれをハンディーと呼んでました。ブックバンドで教科書と一緒に結いて学校に持っていくのがお洒落、、、なーんて時代です。

修理中の502

修理中の502

 そんな話しはさて置いて、お預りしているIC-502は小生所有の個体よりシリアルナンバーが若く、若干仕様が異なっているようです。電池ケースの構造とVFOケースのセラミックカバー取付有無程度ですが、ベストセラー機だけに細かい仕様変更があったのでしょう。

SSBが正常に復調されない

 SGを繋いでビートを入れるとシグナルメーターはちゃんと振ります。CWを受信するとサイドトーンがスピーカーから聴こえてきます。ここまでは特に異常を感じませんが、心持ち復調帯域が狭いきがします。SSBはグチャグチャで全く聞き取れません。13.9985MHzのクリスタルフィルターにSGから信号を突っ込んで見ましたが、正常に動作しているようです。検波回路のダイオード1N60を交換してみることにしました。

4個中3個が異常値

1N60×4を交換中

1N60×4を交換中

 電池ケースを外してメイン基板の半田面にアクセス。意外にも年代モノとは思えないほど良好な状態です。同年代の無線機を散々診てきましたが、40年前の無線機でここまで状態が良いものは中々お目に掛かりません。半田吸取り用の網紐で古い半田を吸上げ、検波回路の1N60 4個を外しました。極性導通のみの簡易テストですが、3個が明らかに異常値を示しました。新品の1N60に交換し、OSCケース側のD8番をタップして周波数を測定、OSCケース内のトリマーを回して13.9970MHzに調整しました。キャリア混合トランスL8を回して、先程のタップポイントのキャリア電圧が最大且つ、±のバランスが最良になるポイントに合わせます。(オシロで確認)

3個が異常値を示した

3個が異常値を示した

 やっとSSBを正常に復調するようになりました。L8の調整によりUSB側をキッチリ復調可能となったようで、ホワイトノイズ自体が高域に拡大されて聞こえます。

 

BVX流、調整方法

VFOのLCトラッキングは行わずに済んだ

VFOのLCトラッキングは行わずに済んだ

 受信性能が回復したところで、忘れてはならないのが送受信周波数の調整です。SGを使ってVFOのダイヤル現示を校正するのですが、本来はVFO内のLCを調整し上下のバンドエッジを校正するべきです。お預かり中の個体は上下エッジのズレが殆ど無いため、VFOダイヤルの位置調整だけの簡易的な校正に止めます。SGからSSBのツートーンを入れて周波数を合わせますが、小生はこの方法ではなく、SGの外部AF入力にオーディオプレーヤーを接続し、音楽を送信します。元の音源と無線機から復調される音を同時に鳴らして、「うねり」が無くなる(位相差ゼロ)のポイントに受信周波数を校正する方法で調整します。この方法ではAFの低域から高域まで万遍なく使ってゼロインする為、正確なポイントに合わせることができます。受信周波数の現示を合わせた後、送信周波数を調整します。電池ホルダー側の基板にあるR18番で送信周波数を微調整します。同様にSGで受信周波数校正済のリファレンス無線機で鳴き合わせを行いながら送信周波数を精密調整します。これで送受信周波数は完了です。

 

送受信IFトラッキング

4W程度に抑える

4W程度に抑える

 受信感度を最大限に引き出す為にL1 〜L9を調整、同様に送信もL13〜L18を調整します。R65の半固定VRがALC調整用です。キーダウンで3W〜4W程度に収めれば良いと思います。この個体はALCで強引に出力を引っ張っていた用で、IF段からの調整実施後には5W以上出てしまいました。むやみに出しても無意味ですので、4W程度に抑えておきます。(無線機の定格は3Wです)

 

 

メーター校正

 最後に送受信のメーター校正です。-73dBmにてS9となるようにR47を調整。同様に13.8V駆動時キーダウンで40dBを指示するようR46を調整しました。

 これにて修理完了と致します。

 

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