先日お預かりしたIC-726であります。オーナー様より修理作業開始のゴーサインが出ました。早速、シャック内の検査台に再登場、既に目星は付いています。サービスマニュアルは入手済、回路図も用意しました。

 お復習いしましょう。SSB送信機に於いて「TXメーターが触れない」「RF PWRが効かない」「定格を大幅に超えた異常出力」という状況から鑑みて、通信機器のエンジニアなら間違いなくALCを疑うところです。これに対して、どのようなチェックを行ったかと言うと、ALC回路周りのタップポイントに於ける測定結果の評価、さらにファイナル段のALC出力が正常に取り出せているかどうかの確認でした。本機種では進行波と反射波を方向性結合回路から抽出し、それぞれをダイオードで整流した後にメイン基板に送っています。進行波はオペアンプを介してTXメーターに送られるほか、ALC回路に吸い込まれます。メイン基板とPA基板の間のジャンパ線の導通をテスターで確認、方向結合器の進行波を測定したところ、方結直では正弦波、ダイオード整流回路から先では直流成分を確認しています。ダミーロードを接続しているので反射波は測定していません。メイン基板の方は、IC10、12、Q53の端子電圧を測定したところ、異常値のオンパレードでした。取り敢えず、オペアンプとトランジスタは用意しました。

PA基板を分解中 素子類の取り外しが少々面倒

PA基板を分解中 素子類の取り外しが少々面倒

 メイン基板のJ6端子のFORピンにプローブをあてて、オシロで確認したところ、TX時にサイン波(プラス・マイナス)が現れます。しかし、よく考えてみると方向結合器直後にダイオードで短絡されているわけですから、交流のマイナス成分が現れること自体??です。本来プラスが出力されるべきところなので、ここは疑わしいですね〜。(※)勿論ダイオード。しかし、J6(P6)〜PA基板間は全ピン導通を確認済、そこからFOR/REFはL17、L18を介して更にジャンパ線を通って方向結合器へと至ります。L17、L18は100µHのRFCで両端の導通を確認済です。RFCから方向結合器の間はデバイスが挿入されていないので、テスターをあてて導通が確認できればOKのはず。今度は方向結合器〜J6間を通して導通を確認したところ、REFは導通しているのに、FORが通っていないことが判りました。やっと見えてきましたね〜〜〜〜。

手前のRFCがL18

手前のRFCがL18

 PA基板を取り外すことにします。基板を外すにはファイナル、ドライバ、バイアスの各トランジスタも外します。筐体がヒートシンクになっているため止むを得ません。L18を指で押すと少々ぐらつく感じが・・・。プリントパターン側のハンダは一見して問題ないように見えます。裏側とL18の反対側の導通がありません。問題はここだったのでしょうか・・・。

 再ハンダを施すと見事に導通しました。その他の箇所も再ハンダ処理しておくことにします。素子類を元に戻し、基板を仮留めしてケーシング。恐る恐る14.100MHzでキーダウンすると、RFメーターはやや控えめに振れています。控えめと言っても100w以上は出ていますね〜〜。次にRF PWRを回すとパワーが絞られることを確認。TXメーターもバッチリ振れています。同様のチェックを50.120MHzで試したところ正常に機能することが確認出来ました。ALCが規定値からズレているので後ちほど調整が必要ですが、このまま暫くロードしてみることにします。

MIN 5w

2015-02-09 00.36.32

MID 50w

2015-02-09 00.36.02

MAX 100w

 

 ※ オシロのゲインが高く、回り込んだ高周波を測定した模様。

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