前回ご報告の通り、変調が特に浅いと言うこともなく、状態の良い初期ロッドのRJX-601をお預かりしております。オーナー様と打合せの結果、以下のメニューでリニューアル作業を実施することになりました。

  • 変調度をアップ
  • FMナロー化
  • CAL周波数の51.000MHz化
  • 照明の高輝度白色LED化
  • 送受信フル・トラッキング
  • ロッドアンテナLC回路のコンデンサ追加
  • TX/RXメーター校正

1.変調度アップについて

R80、R56、TR12 、TR13はこの辺りに集結

R80、R56、TR12 、TR13はこの辺りに集結

 オーナー様が所有されるFT-897と比較して変調が浅いとのことでした。変調には個人差(周波数成分、音圧など)があり、小生の声をRJX-601が拾ってくれたとしても、必ずしも誰でもそうなるとは言い切りません。ココはオーナー様のご要望にお応えし、変調度を上げることとしました。そうは言っても、どこかにゲイン調整ボリュームがあるわけではございません。マイクアンプに手を入れる必要があります。

 これは小生の定番メニューの一つで、特にFMナロー化した固体にもお勧めします。マイクアンプに使用しているTR12:2SC945、TR13:2SC828を2SC1815Y、2SC1815GRへそれぞれ換装、更にR56(NFB)を15KΩから47KΩに替えることで全体的にマイクゲインを増大させます。この固体のトランジスタは恐らくオリジナルのままでしょう。問題なく動作しているようには見えますが、ノイズや周波数特性などを突き詰めれば確実に素子劣化があるものです。

 元々変調は正常でしたが、交換の結果、全体的にゲインが上がり、低域から高域まで更に深みのある変調に変わりました。後述するFMナロー化によってFMは帯域が狭くなっているせいもあり、AMの方が音が良く聞こえます。(^o^)

2.FMナロー化

 R80:12KΩを56Kに替えました。ここはダイオード・リミッターのバイアス電流を抑制しています。値を大きくすればリミッターの閾値が下がり、バリキャップへの入力も抑制されます。前回チェックした際にはFM放送並に帯域が広がっていましたが、ナロー化後は30%程度に狭まりました。本来もっと狭くすべきですが6mのFMですから迷惑になることはないかと・・・。

3.CAL周波数の51.000MHz化

水晶を30.000MHzに差し換える

水晶を30.000MHzに差し換える

 これも定番中の定番。TS-520のCALのように25KHz毎に発振してくれるものならよいのですが、50.000MHzでしか使えないCALは元々使い勝手が宜しくありません。それより、51.000MHz、50.500MHzで発振したほうが便利なわけで、RJX-601発売当初より積極的に改造されてきた箇所です。

 X2の水晶を29.000MHzから30.000MHzに替えればOK。これでFMメインチャンネルにキャリブレートされるようになります。

4.照明の高輝度白色LED化

高輝度白色LEDに交換

高輝度白色LEDに交換

  オーナー様はオリジナルのムギ球を希望されました。BVX LABO.にジャンク固体はあるのですが、生憎電球は使い切っております。しかもこの電球キレやすく、小生が開局時に使っていた固体も何回か球切れが発生したことを覚えています。LEDに交換すれば球切れは起きませんし消費電流も抑えられます。ただ、オリジナルの質感とは異なるため、そこを由とするかです。今回は高輝度の白色LEDを使うことにしました。個人的には緑色LEDがRJX-601には合うような気がしますが、白色は光量があり視認性に優れます。

5.送受信フル・トラッキング

 テクニカル・ガイドに従って送信・受信をIF段から再調整しました。お預かりした段階ではMAX3.5W出ていましたが、スペアナを診る限り高調波成分が多く含まれていました。段間結合コイル、トラップコイルを追い込んで、基本波以外を抑制しながら最も出力するポイントを探ります。受信は復調に問題がないので、1stIF以降を調整しました。VFOは前回書いた通り十分精度が出ているので問題ないでしょう。高周波段は素子劣化の影響が出やすいので、再調整したほうがよさそうです。53MHzの内部ビートも押さえ込みした。スケルチ感度の調整もOK。結果、送受信ともメーター校正が必要になるほど性能が回復しています。

6.ロッドアンテナLC回路のコンデンサ追加

コイルと並列にCを取り付ける

コイルと並列にCを取り付ける

 前回触れた部分です。回路図では56pfとなっていますが。実測したところ65pf付近でロッドアンテナの出力が最大となりました。手持ちが無いため47pf+22pfで近似値としました。出力Hiで真ん中までしか触れなかったTXメータが、Cの取付後は完全に振り切れ状態になりました。この状態でロッドアンテナを畳み込み、コネクタにRF電力系を接続、必要に応じてL25を再調整します。Max3.2W出ているので問題ありません。

7.TX/RXメーター校正

 送受信とも最適化されたのでメーター校正が必要になりました。 送信は出力HiでTXメーターのHiレンジ(赤帯)内に収まるよう調整。RXはSSGを接続し-73dbm時にS9になるよう合わせました。

RJX-601は暗がり美人ですなw

RJX-601は暗がり美人ですなw

この他にLEDとLC同調回路にC追加

この他にLEDとLC同調回路にC追加

 交換部品はTR×2、R×2、水晶×1。追加部品はC×2でした。出来具合はビデオに撮ってオーナー様に送って確認してもらいました。検査から改修までの実作業時間は8時間程度です。これにて作業終了とします。ご退院〜〜!

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5 Responses to RJX-601入場中 (その2)

  1. jg1bvx より:

    山内OMへ業務連絡! FT-690mk2のサービスマニュアル入手完了です。いつでも入場OKです。

  2. JQ3NAA より:

    新品以上の性能になったんではないでしょうか(笑)
    いろいろお気遣い、お手間おかけいたしました。

    大事に使わせていただきます。
    この度は有難うございました。

    • jg1bvx より:

      カップリングコンデンサ交換、承りましたぁ!

      • JQ3NAA より:

        変調もバッチリ乗っております。
        アナログメーターがいいですね。
        開局当時の思い出がよみがえってきました。

        感謝の意を込めてQRZ.comでちょびっと
        紹介させていただきました。

        http://www.qrz.com/db/JQ3NAA

        • jg1bvx より:

          QRZ.COM拝見しました。
          大した事はしていないので、本当に恥ずかしいです。
          RJX-601は手が入れやすいので助かります。
          変調の件、安心しました。末永くご愛用ください。

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