一時、RJX-601専門局と笑われるほど溜め込んだ個体も引越を期に半数以下になりました。それでも初期型、中期、後期を2台ずつ保有しています。これは完全に病気ですね。ww CQ誌さんからも記事を頼まれましたが自制しておる次第です。

極めて状態の良い初期型モデル

 さて、久しぶりにBVX LABO.にRJX-601が入場しております。シリアルナンバー4F077FGの個体です。初期型のNATIONALロゴとRJX-601のシルク印刷が小さいタイプ。症状としてはAM変調不足ということでお預かりしました。ふつう変調不足の場合、AMもFMも同時に音量が下がるのでAMだけとなると変調トランス周辺ということになるのですが、RJX-601の場合AFのSP駆動用トランスを兼ねており、これまた変調だけが小さいというのは些か不思議な症状です。取りあえず開胸してみましょう。

 

 

初期型とは思えないキレイな個体

 筐体には錆びもなく、とても整備が行き届いた個体であることはすぐに分かりました。今まで数十台のRJX-601を診てきましたので劣化具合は一目で分かります。ダミーロード、方向結合器、オシロ、スペアナ、SSGを接続して本体の電源を投入。まず、VFOメモリが正確に調整されていることに気付きました。ここまで精度を出している固体も珍しいと思います。早速AMで送信してみたところ、RJX-601独特のキレイな変調音が、モニター用のFTDX3000に接続したヘッドホンから流れてきます。オーナー様のご指摘にあった「変調が浅い」というのは特に感じませんでした。むしろ、小生所有の個体よりも深めの変調というイメージです。勿論、テストに使用したのはオリジナルの棺桶型マイクです。スペアナで見る限りコレと入った異常は見当たりません。敢まずは高調波から潰して行きますえて言うなら、スプリアス抑制の追い込みが甘いくらいでしょう。恐らく、当時の測定器(スイープジェネレータ+オシロ)の精度では追い込めなかったものがスペアナを使うと簡単に出来てしまうだけのことで、大したことではありません。この辺りは後で調整することにします。小生所有の個体と鳴き合わせを行ったところ、送受信とも遜色ない音を奏でています。

あれれ・・

 テスト環境からRJX-601を外し、ロッドアンテナのみで送信してみました。すると先程の変調音とは明らかに異なる籠もった音になったではありませんか。TXメーターの振れ方も同軸+ダミーロードの時とは明らかに異なります。あることを思い出しました。

本来あるべきコンデンサ

本来あるべきコンデンサ

Cは取り付けられていない

やはり、Cは取り付けられていない

  RJX-601は同軸とロッドアンテナの切替SWがありません。即ちRF出力を調整する際にロッドアンテナが接続されたままとなり、πマッチのLを回す際にロッドアンテナ側も取り込んで整合させるため、同軸に出ていく電波の効率が若干下がってしまいます。後継機種のRJX-610に同軸・ロッドアンテナの切替SWが付いたのは、この辺を嫌ったユーザーからの要望が多かったからでしょう。因みに回路図を見ると、πマッチの後ろで同軸側に出ていくラインに直付けされる形でLC同調回路が接続され、その先にロッドアンテナが在ります。RJX-601のアンテナサイズは1.5mですので1/4λのホイップということになり、そのままでは50Ωに整合されませんから、それを補うためにLC同調回路で整合しているものと考えます。しかし当時の運用形態はベルトを肩で背負い、本体を身体に密着させるスタイルが多かったと記憶します。このスタイルであれば、人体がカウンターポイズとなるため、結果的に理想のインピーダンスに近づくはずです。いつ頃からかは不明ですが、Cが省略されたのは間違いなさそうです。実際、小生が修理した個体も全てCが省略されていました。しかし、この状態で縦置きさせると整合不十分となり50Ωから乖離、TXメーターの振りも弱くなるばかりか、不整合によるコモン電流の発生により本体にRF回り込みが発生する可能性があります。特に外部電源を接続すると、この傾向が強くなります。オーナー様のご指摘は、RJX-601を縦置き(ロッドアンテナ)使用時の回り込みにより、変調が潰れて聞こえたことが原因ではないかと思慮いたしました。お預かりした個体もCは付いていません。 

FMナロー対策って、これほど効果があったのか・・・

 思い込みでご迷惑を掛けても行けませんので、変調不足の件はユーザー様に再度確認するとします。せっかく入場して頂いたので細部を調整することにしました。先程のスプリアスに関しては段間結合トランスと波形整形用のトラップコイルの調整を追い込めば、かなり良い具合になるはずです。スペアナで高調波発生を確認、ご覧の通り押さえ込みました。送信出力に変化はありません。受信も精密トラッキングで追い込みます。

 最近お預かりする個体は既にFMナロー化されているものが多くなりましたが、今回お預かりした個体に関しては未施工でした。幾つかの方法がありますが、最も簡単な方法はFM変調器手前のダイオード・リミッタの出力を抑制する方法です。参考までに施工済、未施工のキャリアの広がりを比べてみました。施工済の個体は小生所有機です。未施工の個体はAF-FFT(FTDX3000 液晶画面の右下)の周波数分布が高域まで伸びている様子が覗えます。それに対し施工済機のAF-FFTはSSBの音質に近いことが分かります。実際はそこまで帯域が狭いわけではありませんが、所謂FMナローの音です。

 まずはここまで・・。

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高調波・スプリアス成分が若干高め

高調波を追い込んでい行く

FMナロー化 未施工

FMナロー化 未施工個体 入場個体

FMナロー化 施工済

FMナロー化 施工済個体 小生所有機

 

 

 

 

 

 

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2 Responses to RJX-601入場中

  1. JQ3NAA より:

    オーナーです。詳細にご確認有難うございます。
    OMにお願いしてよかったです。
    引き続きよろしくお願いいたします。

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