USZ局からスタンバイピー回路の製作依頼をうけました。造ったのは当局使用中の回路の定数を若干変えただけのもの。昨今の無線機は本体のアースとマイク系統のアースが独立しているものが多いので、発振回路とPTTトリガー回路をフォトカプラなどで分断する必要がありますが、小生は音声ラインにトランスを挿入してグランドアイソレーションとする方々をしばしば使っています。 この方法だとシンプルで部品点数も少なくなる反面、変換損失も大きく、若干の音質劣化もあります。無線音声なので50Hz~10kHz程度がフラットに通れば問題ありません。また600Ωのバランス出力になるので全域で音圧も安定します。動作電源はリグから供給されるサービス電源(5〜8v)を利用します。

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内部構造

 前回はトランスの後に何も入れなかったので、ピー音量がかなり控え目になりました。今回はマイクコンプレッサーを組み込むことで、音量を底上げすることにしました。
スタンバイピー部はCR発振として2kHz程度の正弦波を発振するシンプルなもの。トリガーはパッシブ型のトランジスタスイッチとして、受信待機時にPTT回路に流れる電流をコンデンサーに貯めて、PTTオフでコンデンサーから電流が流れる間だけPTTオフが遅延されて、2kHzの信号が送信されるというシンプルなものです。今回は発振回路の後ろにトランジスタ一石のマイクコンプレッサーを付けて、音声に対して音量の小さなピー音の底上げを狙ったというわけです。ケーシングはコンパクトなタカチのケースに、FCZトランジスタ基板を2枚並べて、部品は表面実装としました。トランスは山水のST-71を使用。入出力ともアドニス配列の8ピン端子。因みに、トランスを使用しているのでコンデンサマイク用にホット側に電圧が重畳されている回路には使えません。その場合は、トランスの2次側にホット・コールド双方に同じ値のカップリングコンデンサーを挿入する必要があります。仮にECMに電源を供給する必要がある場合は、入力側のカップリングコンデンサの外側に2KΩ程度の抵抗を繋いで、片側をVCCに接続すればよいでしょう。

各部調整

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外見

 スタンバイピー回路は遅延時間、発信周波数微調整、出力微調整が出来るように反固定VRを採用。コンプレッサー側は圧縮率スレッショルド値を調整可能としました。最低値に設定するとコンプレッサーは作動せず、単なるマイクアンプ状態と同じになります。依頼主は主にFM、デジタルモードで使用とのことなのて、通常使用ではコンプレッサーは不要です。もしかしたらマイク入力はパス・スルーさせた方が良かったかもしれません。依頼主からのフィードバック待ちとします。
アドニス配列のケーブルの手持ちがないので、ワニグチクリップのジャンパー線を使ってFT-847と接続しテスト。ノイズの発声や回り込みもなく、正常動作していることを確認。
完成とします。以下に回路図を添付します。

回路図

standbypi

表記なきCは、全て 0.01μF (フィルムコン推奨)
TR:2SC1815  GR
D1:1S2076A
D2,D3:1N60
VR1,VR3:10KΩ
VR2:100KΩ
VR4:1KΩ

VR1:スタンバイ Pi出力調整
VR2:発信音周波数調整
VR3:PTT遅延調整(Pi発信時間)
VR4:マイクコンプレッサ・スレッショルド調整

 変調度調整は、原則無線機側で調整。入力オーバーになる場合はVR4を10k〜100kに交換。

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