現在、エレクトロデザインさんと共同でリモート制御ソフトを作っているところです。同社オーナーのJA8CCLこと、木下OMが運用されている霞ヶ浦のリモートシャックに設置すべく、K3、KX3対応リモート・サーバを制作するため同社よりKX3を拝借中です。 勿論、当局所有機も発注済みですが、着荷まで2週間ほど掛かるようですので、一足先に借用機でテスト。因みに、開発中のリモート・制御ソフトはmini ITXサイズのPCに収めて”Set Top Box”として提供予定です。このお話はまた後日・・・。とりあえずKX3のインプレッションから。

凄い時代になったもんだ・・

凄い時代になったもんだ・・

 初 ElecraftとなったKX3ですが、実装済みオプションは専用パドルとCWフィルターのみで、ATUや2mのユニットは搭載していません。素に近い状態のリグです。まず第一印象は、想像していたものより質感が良いこと。特にVFOノブの適度な重量感が好印象です。しかし、いきなり躓いたところもありました。電源スイッチが見当たりません。

 40年近く無線機を触ってきて初めての経験(汗)。仕方なく取扱説明書を読んでやっと電源の入れ方が判りました。BAND(-)ボタンとATUボタンを同時に押すことで、電源ON/OFF※となります。木下OM曰く「輸送中に誤って電源投入されることを避けるための配慮」とのこと。至極、納得であります。

※ 本体側面に印字されています

操作感

 ボタンの感触は良好で実に快適に操作できます。ロジックも第2階層程度しかないので、覚えてしまえば戸惑う個はなさそうです。但し、余りにも高機能であるため、基本機能を覚えるのに時間が掛かりそうです。

受信

 単純な感度比較のために50MHzの東京ビーコンを受信。当局常設の固定機、FTDX3000、FT-847、可搬機のFT-817と比較。(送信モニターにはTS-940Sも使用)まず、CWのゼロインが極めてスムース。SPOTボタンを押すだけで簡単にチューニング完了。しかも、サブ・ディスプレイにデコードされた文字が表示されはじめました。解読率はFTDX3000内臓のデコーダーよりも精度が高く十分実用になります。NOTCHを効かせるとノイズがすーっと引いて、トーンが浮かび上がってきました。高級機同様、受信プリアンプとATTのON/OFFが正面に配置されていますので、適宜切替可能。受信感度はFT-847を凌駕しFTDX3000に迫る耳をもっていることを実感。HFローバンドも試しましたが、夜間の3.5MHz帯で3510KHz付近のDX局を受信。このバンド特有のビートノイズに埋もれがちな電波もRFゲインを絞ることで簡単に抑制でき、信号が浮かび上がってくることを確認しました。

2cmスピーカー

下部に取り付けたパドルと2cmスピーカー

 SSBに関しても、IFの通過帯域を0〜4KHzまで連続可変。これもフロントパネルに配置されたツマミ(エンコーダー)を回すだけ。ツマミ類はプッシュSWを兼ねていて、一つのツマミに複数の機能が割り当てられているのを切り替えることができます。ここは、MODEによって機能するもの、しないものがあるようで少々解りづらいところ。FM・AMも送受可能です。更にヘッドホン使用では、2つのVFOによる同時モニタリングが可能、左右のチャンネルに分離されます。これは、同一バンドの比較的に近接した周波数を受信するときのみ機能するようで、決められた範囲を超えると、メインVFOのみに切り替わります。アンテナ端子を一つしか搭載しておらず、致し方ないところでしょう。モニター音ですが、スピーカーのビビリが感じられました。拝借した個体が初期ロットなので、もしかしたら改善されているかもしれません。このサイズですのでここも大目にみたいところです。

送信

RS232C/USBはACC1経由 、MicはKenwood4極仕様

RS232C/USBはACC1経由、MicはKenwood4極仕様

 Elecraft社のマイクを使用してのテストなので、この組合せでの感想になってしまうことを前置きして評価するなら、各モードとも「少々変調が荒い?」と感じました。FT-817と付属マイクの組合せの方が、各モードともにクリア。マイクを握ったときに発生するガサガサ音は頂けません。どうやらKenwoodのマイクが使えるとのことなので、そのうち試してみようと思います。また、電圧低下時に変調音質が劣化する傾向にありました。バッテリーは満充電状態で10.0vを示しますが、8.2v付近まで低下すると歪の多い変調音になります。電圧低下には注意が必要です。

その他

本体基板がDSPユニット バッテリー左がLPF

本体基板がDSPユニット バッテリー左がLPF

 内部はまるで「デジタル・ガジェット」。およそ無線機とは思えません。側面にはI/Q端子も装備され、PCに繋げば即SDRとして機能します。付属のUSBケーブルをACC1に接続すれば、CAT制御やファームアプデートなども簡単に行えそう。OS XのMacLoggerDXで試したところ一発で接続、簡単にCAT同期が行えました。バッテリー充電は今どきのハンディ機の様に、ACアダプターを挿せば即充電ということにはなりません。手動で電池タイプを判別し、充電時間を予め設定する必要があります。即ち。過充電保護回路は搭載されていないようです。(FT-817同様)使用電池が単3ベースの二次電池が前提となるので、この辺りも許容する必要がありそうです。

iPhoneとサイズを比較

iPhoneとサイズを比較

 大きさは、虎屋の羊羹を2本積み上げた程度。カバンにもスッポリ収まります。バッテリーでも5w運用が可能なことを考えると、このサイズは驚異的です。操作性おいてはFT-817を遥かに凌駕します。フィールド運用では革命的かもしれません。欲を言えば、VFOの可変ピッチがもう少し大きくできる設定が欲しいのと、FT-897のような簡易バンドスコープがあると便利。I/Q端子を使ってノートPCに繋げば、固定機を凌ぐスコープも表示できるのですが、DSP機ですからスコープを内蔵することくらい簡単に実現できそうですけど。ファームアプデートで更なる進化が期待できます。

オプションのパドル

PEGASASUのサイズともシックリ来ます

PEGASASUのサイズともシックリ来ます

 これを語らずにはいられないでしょう。
初めて写真を見た時「この変な突起はいったいなんだ?」、、てっきり何かに固定するアタッチメントか何かかと思いました。ボディ下部に取り付けるパドルだった訳ですが、これが実に快調です。フィールドでも自宅でも、これだけでQRVできます。20K円を超える価格とのバランスも気になるところですが、バリューを考慮するならアリなのかと思います。因みに、愛用のPEGASASUとの相性もバッチリです。突起を嫌う人もいそうですね。

 個性的で物欲をそそるリグであることは間違いなさそうです。消費税増税に前に発注しようとおもったのですが、間に合いませんでした。当局は、KX3本体、マイク、CW用フィルター、パドルをオーダーしています。

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