先日、ローカルのJI1STU局からお預かりしていたIC-780(その2)の修理が完了しました。丁度、おニューのオシロもやってきたところでモチベーショが一気に上昇、BVXラボが久々にフル稼働です。症状的には重症の域に入ると思いますが、こんな感じでした。

1.SSB,AMが変調しない
2.出力不安定 HFローバンドで80W、ハイバンドで60w
3.受信時にガサつき有り
4.広範に渡り基板の腐食が進行

 まぁ、こんな感じです。当初は部品取り用に入手されたとのことでしたが、状態的に修復可能であることから修理するに至りました。

 電源周りの大容量電解コンデンサは若干液漏れしています。コレは交換しておいたほうがよいでしょう。その他、基板目視で液漏れの疑いがある電解コンデンサは全て取り替えることに。(全25個)RF、IF,PLL周りのセラコンも腫れが著しいものがあり、これも予防交換。受信RF周りのトラッキングを実施しましたが、タップ・ポイントの測定で定格値を示さない場所があり周辺のFETを交換、怪しいAFのトランジスタも予防交換。ファイナルのMRF422はTS-940Sのメンテナンス用にストックしていたモノがあり、これを活用しました。

 基板が広い範囲でサビによる腐食が進んでしました。基板洗浄剤で丁寧に洗った結果、基板上のサビはかなりキレイに取れました。ケース内部にはサビがひどい場所がありますが、錆止め塗って腐食進行処置としました。変調不良はコンデンサの半田剥離が原因でした。

全域で定格以上の出力を確認

全域で定格以上の出力を確認

 当該固体は沖縄の沿岸部で使用されていたそうで「塩害」によるサビの進行が著しく、デバイスの一部も腐食が進行。可能な限りサビ取り清掃を行いましたが、完全には取りきれていません。機会があれば腐食部品の総取替を行ったほうがよいかもしれません。今回の部品交換、内部メンテナンスはここまでとし、サービスマニュアルに従って調整を行った結果、送受信とも正常になり、送信出力も以下のとおりに校正できました。MRF422は片側のHFEが極端に落ちていました。出力低下の原因はここにあったと推測されます。

 

1.9  Tuner On 80w /  Tuner Off 135w
3.5  Tuner On 125w /  Tuner Off 140w
7    Tuner On 125w /  Tuner Off 140w
10  Tuner On 130w /  Tuner Off 140w
14  Tuner On 135w /  Tuner Off 145w
18  Tuner On 135w /  Tuner Off 145w
21  Tuner On 140w /  Tuner Off 150w
24  Tuner On 140w /  Tuner Off 150w
28  Tuner On 135w /  Tuner Off 150w
29  Tuner On 135w /  Tuner Off 150w

 ダミーロードからANTに付け替え各バンドを受信、正常に聞こえてくるようです。ガサガサ・ノイズはかなり低減されましたが、ヘッドフォンでモニターすると少々硬い感じです。これはIC-780の癖なのでしょうか? 普段、TS-940S、FTDX3000で耳慣れしているので、アイコム高級機の「音」がイマイチわかりませんが、明瞭度、音質ともに良好、低音から高音までキレイに復調しているので由とします。もう少し劣化部品を交換すれば、さらに追い込めそうです。この時代までのリグは制御部以外はディスクリートですので、コンデンサ交換だけでかなり復元できますね。

 取り敢えず、修理完了!

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