中古のジャンク・リニア(アルインコEL-250)が放置状態だったので、先日オークションで入手した2SC3240に換装してみました。EL-250はMRF454のP/Pで、10w入力で100w出力定格のリニアアンプです。小生が入手した個体は改造の痕跡があり何故か170w弱出ています。但し若干波形が汚い・・・。 リレーもヘタっていてキャリコンが働かないことがあり強制スタンバイ(GND短絡)で動かしています。東京ハイパワーの同クラスのリニアのように、受信時にはバイアス電流をカットするようなエコノミー設計ではなく、常時ベース電圧0.6vが掛かりっぱなしなのも頂けません。そんなリニアですが、基板上のコンデンサー・コイル・抵抗類は活用できるので、実験用には持ってこいであります。

 とりあえずファイナル2個を外すことに。前のオーナーが弄ったのか?、パワートランジスタ周りの半田の盛り方が尋常ではありません。トランジスタを覆うように左右のエミッタを網線で結んでいます。プッシュプルで載っているトランジスタの間の島は、左右のトランジスタのエミッタを繋いでいるだけですが、基板レイアウト的にアースされていません。どうやらオリジナルの設計のようです。吸引器と半田吸取り線を駆使して格闘すること30分、片方のMRF454をなんとか取り出しました。残りも同様の作業で基板から剥離、「おや?」。網線を剥がしたら違う型番のトランジスタが出てきました。なんとTHP100です。これは、かつて東京ハイパワーの100wクラスのリニアに使われていたNPNトランジスタで東芝2SC2290の選別品のはず。「そんなアホな・・!!」目を疑うような光景に驚愕!!。

 東京ハイパワーは小粒な会社ながらデバイスの調達には大手メーカーにはない「拘りのある会社」で、THP100、THP120、THP150はそれぞれ東芝製2SC2290、2SC2879、2SC2510のマッチド・ペア(特性選別品、以前CQ誌だかに書いてあったと・・失念)。これらはMRF454、MRF422と並んでHF無線機のファイナルとして定評のある石でした。HFEが基準を満たしている個体だけを選別してオリジナルの型番をプリントしたものが、これらのトランジスタになります。MRF454とはケース形状など互換性はありますが、あくまで似て非なるもの。ネット上でTHP100 = MRF454 などという書き込みを見ますが、データシートを見れば一目瞭然、まったく別物であることが解ります。プッシュ・プルですから交換するならHFE が揃っていないとダメです。

 ということでコイツも外します。しかし、アルインコのリニアに東ハイの石とは・・。失笑 余談ですけど、東ハイ倒産は残念でなりません。技術力のある会社だったのに・・・・・。

2SC3240を入れちゃいます!

2SC324へ換装

2SC3240へ換装

 13.8v系のパワートランジスタで最大級の定格出力を誇る2SC3240に換装しちゃいます。コレクタ損失270wで、12v系なのに40v入れても壊れないという凄い石です。FT-747、FT-840などで採用されました。中国製のまがい物が出回っているので要注意だそうです。一応、HFEを測定して揃っているものを選んで使うことにします。ケース形状は2SC2290、THP100と酷似にしていますが、2SC3240はエミッタ・ケース接続になっているので前述の網線は不要。実装後も基板がスッキリしました。三菱はCANタイプでもエミッタ・ケース接続のトランジスタが多く、発振対策、放熱等々で扱いやすく小生好み。しかもBTS規格に準じているので信頼できます。(勿論、OEMじゃダメです)

 RFCに並列に繋がっているコンデンサーががかなり太っています。次回メンテで交換でしょう。その他のパスコンも肥満度大、交換しなきゃダメかもしれません。入力のアッテネーターは2wの炭素抵抗が4パラ×2系統入っています。15w程度ならギリギリ???。これも定数見なおしして交換したほうがよさそうですが、今回はトランジスタのみの交換に留めます。バイアスは0,6v程度が適正ですので、バイアス回路付近の半固定VRを回して調整しました。

出力にLPFがありません

出力にLPFがありません

 キャリコンが不調なのでリレーも要交換。色々なところに手を入れないと・・・。この時代のリニアアンプはLPFも載っていません。FL-2100Bの減力改造でもTSS認証が得られるくらいですから、LPFがなくても免許は降りると思いますが、エキサイターの性能に左右される部分も多々あります。バンド毎のBPFは諦めるとして、せめてLPFくらいは付けないと心配ですね〜。今回はファイナル換装だけで閉胸!

 結果は驚愕のパワー

3.5MHz-7MHzでは12w 入力で300w出力

3.5MHz-7MHzでは12w 入力で300w出力

 終端電力計とエキサイター(FTDX3000D)を接続し試験送信。結果は以下のとおりです。

入力12w時(電圧13.8v Key Down)

1.9MHz —- 200w
3.5MHz —- 300w
7MHz —-  300w
10MHz —-  240w
14MHz —- 200w
18MHz —- 170w
21MHz —-  150w
24MHz —-  120w
28MHz —- 90w

 予想通りの結果ですが、入力アッテネータ(盛大に発熱)は変更したほうがよさそうです。LPF通すと0.5dB〜1dBは減衰するので、これくらいの余裕は必要です。このままだとTSSの保証認定は通りません。ALCを出してエキサイタと繋いで出力制御する必要があります。もしくはセカンドシャック(リモート)で300w下ろすか・・・・。中途半端だな〜〜〜 笑

 因みに、IMDはあまり宜しくありません。3.5MHzだと10w入れて-30dB程度です。そんなに悪い数字ではありませんが、クリーンなエキサイタを使用しないとダメですね。

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4 Responses to EL-250のファイナル換装 300w です!

  1. 村田昭宏 より:

    こんばんは。いつも、興味を持って拝見させてもらっています。外部からの、持ち込み修理は、されていないのでしょうか?

  2. 木島 武朗 より:

    こんにちは、2sc3240 p/pのベース電圧に0.7v近い電圧を加えたら、4A程の電流が流れます、このトランジスターは実際のところ適正電圧、ベースバイヤスの値が分かりません、お教え戴きたいのですが、宜しくお願いします。

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